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2021.01.26

ストレスから体を守る副腎とカイロプラクティックケア!

カテゴリ: 健康通信
ストレスから体を守る副腎とカイロプラクティックケア!

新型コロナウィルスの影響で、これまでとは違った生活様式を強いられ、なんとなく疲れた抜けないといった方も多いと思います。 私たち人間には本来、環境の変化に「適応」するといった能力が備わっていますが、なぜ疲労が抜けないという現象が起こるのでしょうか?今回のコラムでは疲労と密接な関係がある副腎とカイロプラクティックの関係性をみていきましょう!

体の中の製薬工場!?

私たちの体の中には副腎という豆粒大の臓器があります。 副腎は両側腎臓の上に位置する7~8gの内分泌器官でとても小さな臓器ですが、驚くほど重要な機能を備えています。

現代社会ではさまざまなストレスがありますが、このストレスに対抗するためには副腎から分泌されるホルモンが活躍してくれます。 ここでいうストレスとは精神的なものだけではありません。外気温の変化や騒音などの生活環境の変化、偏った食生活、持病や感染症、外傷、不安、恐怖など多岐にわたります。

問題はこれらのストレスが体内炎症を起こす恐れがあるということになります。 その炎症がさらなる体内不調に繋がります。 通常であれば、これらのストレスに対して、体は副腎から分泌されるホルモンの作用によって適応することができます。

副腎から分泌されるホルモンにはいくつか種類がありますが、大きく分けると、コルチゾール・アルドステロン・副腎アンドロゲンなどステロイド系の副腎皮質ホルモンと、アドレナリンやノルアドレナリンといった副腎髄質ホルモンがあります。

体にストレスがかかると交感神経が興奮します。 するとアドレナリンが分泌され、血圧や血糖値の上昇・心拍数が増加します。 同時に、脳の視床下部から副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンという長い名前のホルモンが分泌され、脳の下垂体から副腎皮質に伝わります。

これらの過程を経て、抗ストレス作用や抗炎症作用のあるコルチゾールが分泌され、さまざまなストレスに適応しようとします。

人間はこのようにしてストレスに適応しようとしますが、この状態が長く続くと副腎が疲弊してしまいます。 この状態がいわゆる「副腎疲労」というものとなります。

また副腎は、やる気を高める生理作用をコントロールしたり性ホルモンなども分泌するため、慢性的な副腎疲労になると性欲の後退、女性ではPMS(月経前症候群)などにもつながってしまいます。

さらに副腎などのホルモン分泌器官は、他のホルモン分泌器官とも密接な関係があるので、例えば甲状腺の問題である喘息や血圧の問題など多岐にわたり影響を及ぼしてしまいます。

また副腎の疲労は食べ物の消化・吸収とも密接な関係があります。 副腎疲労が “万病の元” と呼ばれているのはそのためになります。

一般的な副腎疲労からの回復とは!?

一般的な回復方法としては、やはり規則正しい生活が大切だといわれています。 その中でも食生活の見直しは重要視されています。

良質のたんぱく質や良質の脂質を摂取することが、副腎の回復には効果的といわれています。 代表的なものは、イワシやアジなどの青魚です。

青魚にはタンパク質の他に、オメガ3系の良質の脂質が多く含まれています。またオリーブオイルなどに含まれるオメガ9系の脂質は体内の炎症を抑える働きがあるので、副腎疲労の人には効果的になります。

魚には重金属などの有害物質が多く含まれている場合がありますが、それらを解毒する肝臓のためにも、さまざまな色の野菜を取ると良いとされます。

野菜に含まれる色素や苦みなどは、抗酸化作用や抗アレルギー作用があるので肝機能の助けになり、結果、副腎疲労に効果的となります。

その他に、副腎疲労の人はビタミンB群やミネラルが不足しがちになるので、それらを多く含む、豚肉・卵・貝類・海藻類・玄米などを多めに摂ることも有効となります。

さらに、人間の体は60%が水分でできているといわれているので、体の代謝を高めるためにも水などの水分を一日1.5~2ℓ摂ると良いとされます。

逆に副腎疲労につながってしまう食材としては、血糖値を急激に増加させる砂糖類・小麦などに含まれるグルテン・牛乳などの乳製品に含まれるカゼイン・食品に含まれる添加物や遺伝子組み換え食品などが上げれらます。

これらの食材は体内に炎症を起こす可能性があり、副腎疲労の人は特に過敏に反応する場合があります。

また近年健康に良いとされるブラックコーヒーですが、コーヒーにはカフェインが大量に含まれています。 カフェインなどの化学物質は、副腎を刺激してコルチゾールの分泌を促す働きがありますが、副腎疲労の人がカフェインを摂り過ぎれば、さらなる副腎疲労に繋がってしまうということになります。

この状態は例えるなら、もう絞り切った雑巾をさらに無理やり絞る行為と同じになります。 副腎疲労が、さらなる副腎疲労を生むという悪循環に陥ってしまいます。

カイロプラクティックで回復力アップ!

体を回復させストレスから守ることにおいて、副腎という臓器はかかせない存在だといえます。 一般的に回復というと、上記のような健康的な食事であったり、良質の睡眠といったイメージを浮かべる方も多いでしょう。

決して間違った考え方ではありません。 私たちの細胞一つ一つのエネルギーは毎日の食事から生み出されたものですし、睡眠は体のメンテナンスに欠かせないものとなります。

しかし、この考えが行き過ぎてしまうと、人間が本来持っている自然治癒力からは遠ざかってしまいます。

例えば、良質の睡眠を取るためには、この枕が良いだとか、このベッドが良いだとか、このサプリメントが良いだとか、この栄養ドリンクが良いだとかと、なんでも手に入ってしまう便利な時代に生きているからこそ私たちの意識はつい「外」に向いてしまいます。

しかし本当の健康とは私たち人間の「内」なる力、つまり自然治癒力となります。どれだけ体に負担のかからない枕やベッドを選んだところで、神経のサイクルが正常に働いていなければなんの役にも立ちません。

サプリメントや栄養ドリンクなどは、本来ある自然の食べ物とはもっともかけ離れたものとなっていますし、仮にそれらが健康に良い物だとしても、体内に吸収できなければ何の意味も持ちません。

意識を「外」に向けるのではなく、体の「内」なる声に耳を傾けるとはどういうことでしょうか。

先ほどの睡眠の話に戻しましょう。 寝床に入って、眠くなるまでテレビを見たり、スマホを見たりが習慣になっている人は多いかもしれませんが、これらの行為が睡眠の妨げになっているのはご存知でしょうか。

テレビやスマホなどの電気信号の刺激が目から入ると交感神経が刺激されます。 交感神経とは日中、体が活発に動くときに働く神経ですから、睡眠時に交感神経優位になるというのは良い状態とはいえません。

そして、睡眠時まで交感神経が優位になるということは、それこそさらなる副腎疲労に繋がってしまいます。

健康のためにと選んだ枕やベッドの中でこのような行為を行うということは本末転倒と言わざるを得ません。 健康に対する意識が「外」に向いているとこのような事態に陥り勝ちになります。

このように健康を意識するときには、体の「内」に意識を向けることが何より大切になります。 カイロプラクティックで考える健康とは、単に痛みがないことではありません。

体の「内」に意識を向ければ、痛みや違和感ではなく、神経のサイクルが何より重要であるとお分かり頂けると思います。

痛みなど体の違和感は、何かがおかしいですよという体からあなたへのSOSのサインになります。 意識が「内」を向いていれば、この重要なサインを見逃すことはありません。

しかし、意識が「外」に向いていれば、体に違和感が出た時に、あの枕が悪いんだ、あのサプリメントが合わなかったんだとすべて「外」のせいにしてしまいます。

外の環境は絶えず変化しますし、私たち人間の体も絶えず変化しています。 人間は本来、その変化に適応する力を持っていますが、意識が「外」に向いているのと「内」に向いているのとでは、さまざまな環境の変化に適応するにも選択や結果は大きく違ってきます。

意識が「外」に向いているのと「内」に向いているのとでは決定的な差が生まれてきます。 私たち人間は地球上でもっとも賢い動物ですが、賢いがために間違いを犯してしまいます。

では、間違いを犯さず健康を維持するためにいは、神経のサイクルを正常に整え、体の情報を脳へ届けることが重要になります。 そうすれば、私たちの脳は決して間違いを犯しません。

私たちがこの先、どれほどの知識を身につけようと生まれながらに備わっている力には決して及びません。 その力はあなたが生まれる時に母体の中で280日かけて人間を作り上げた力であり、あなたの脳に必ず存在しています。

神経のサイクルを正常にし、健康に対する意識を「内」に向けて、健康な体をより健康にしていきましょう!

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。2007年から2016年の間、某大手運送会社で統括運行管理者として勤務。その中で遭遇した数多くの事故を通じて、命の尊さや体調管理の重要性と向き合う。歩けないほどの腰痛に見舞われるが、カイロプラクティックを受け改善。カイロプラクティックを学ぶことを決意しシオカワスクール入学にする。現在は塩川カイロプラクティック治療室で副院長として施術を担当し、地元である神奈川県藤沢市での施術も行っている。また48年続くシオカワスクールでは講師/インストラクターを担当し、後任の育成にも力を入れて活動している。

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