カイロプラクティックと視覚の深い関係性

平成15年に、厚生労働省が技術革新と労働に関する実態調査を行いました。それによると、パソコンを使ったデスクワークでは、身体的な疲労や症状が報告されています。その内容は、91.6%が目の疲れや痛みでした。それだけ、デスクワークは視覚に負担をかけています。
また、スマホの普及による長時間の使用で、目の負担も挙げられます。このように、現代人にとって目を労わる時間は非常に限られています。
私たちの体は、ロボットではありません。壊れたらそのパーツを簡単に交換することはできません。手遅れになる前に、普段から目の大切さを理解しましょう。そして、目をいたわる習慣をもちましょう。
今回のコラムでは、カイロプラクティックと視覚の深い関係性について解説していきます。
人間は五感から得る情報の80%を視覚から
カイロプラクティックは、神経と脳に着目するケアです。予防医学の一つと考えられています。それは、視力や視野などの視覚情報にも当てはまります。
体の各部位はどこでも予防が大切です。しかし、目に関しては特に日頃からの予防が大切になります。本来、野生の動物は、狩りをしたり、敵から身を守ったりします。そのため、周囲の情報をいかに早く的確にキャッチできるかが重要になります。
人間は五感から得る情報の80%を視覚から得ています。目はそれほど重要な器官となります。人間には自然治癒力があります。これは、本来、怪我や病気に打ち勝とうとする力です。
視神経は再生しにくい
網膜から入った光の刺激情報は、視神経を通して脳へ伝わります。この視神経は、脳に直接つながっている中枢神経の一部です。末梢神経に比べて再生力がとても弱いのが特徴です。完全に障害されてしまうと、回復が難しくなります。つまり、日頃からの予防が重要となります。
あわせて読みたい:カイロプラクティックと聴覚は切っても切れない関係
長時間の同一姿勢による視神経への悪影響
現代人は一昔前に比べると目を酷使する環境に身を置いています。 テレビ、パソコン、スマートフォンなどの電化製品は目にとって大きな負担となります。
さらに、これらの機器を使っている時はどうしても同じ姿勢になりがちになります。人間は動物なので、動いているのは得意です。しかし、じっとしているのは苦手な生き物です。
頭の重さと首への負担
長時間のパソコン作業やスマートフォンで同じ姿勢をし続けた結果、頭が前方に傾きます。人間の頭の重さは7~8㎏もあります。ボーリングの球と同じくらいの重さです。
私たちは、その重たい頭を細い首で支えています。頭が長時間前方に傾いていれば、当然首に負担がかかります。
ストレートネックの正体
その結果、いわゆるストレートネックといわれる状態になることがあります。しかし、このストレートネックが何か悪さをするということはありません。
背骨の形状は、その人の生活環境にあったものとなります。通常、首には前弯カーブがついているのが理想的とはいわれています。しかし、頭が前方にいけば、首の骨は自然と後ろ側に移動します。バランスを取ろうとするためです。
カーブがなくなる理由
もちろん、本来あるカーブは必要なものです。では、なぜ本来必要なはずのカーブがなくなるのでしょうか。
私たちの脳は不必要なことはしません。頭が前方に移動した状態で首の骨を後方へ移動させるのは、全身のバランスを保つためです。ただし、バランスを崩すことは、神経が損傷しやすい環境になることを意味します。
首の骨が真っすぐになるのと、神経が損傷するのでは、どちらが脳(体)にとって一大事でしょうか。間違いなく神経の損傷になります。
なぜなら、人間は神経の流れなしでは生きてはいけません。 そうならないために、本来必要なカーブを一つ消失させてでも、神経を保護する必要があります。
日々の積み重ねと神経
そもそも人間の体はそれほど弱くはありません。一日、二日のパソコン作業で、首の骨が真っすぐになることはありません。
しかし、それが5年10年と続けば、徐々に負荷がかかってバランスを崩します。そして、神経を損傷させないようにカーブが減少していきます。
視神経も同じ
その状態でさらなる負荷がかかれば、よりバランスが悪くなります。そして、神経を損傷してしまいます。視神経も同じです。
視神経は脳から頸椎(首の骨)を通って眼に繋がっています。首に負担をかけることは、目(視神経)に負担をかけているのと同じと言えます。
あわせて読みたい:寝ても目の疲れが取れない理由とはー寝る前のスマホー
関連する症例:シオカワグループの症例紹介「症状別に探す」
神経サイクルの重要性
人間の目は、よくカメラに例えられます。特に優れているのは、カメラでいうところのオートフォーカス機能と手ブレ防止機能です。
近くを見るときと遠くを見るときで、水晶体は厚さを変えます。水晶体はレンズの役割をしていて、自動でピントを調節してくれます。
また、体や頭の動きを感知する耳からの情報を元にします。そして、体の動きとは逆方向に眼球を動かして、画像のブレを防ぐ働きまで備えています。
このような機能が、どんな高額カメラよりも高い水準で精巧にできています。 しかし、これらの機能は全て神経のサイクルが正常に働いていればこそとなります。
かけがえのない眼
あなたの眼は、あなただけに特別に作られた唯一無二のパーツになります。あなたの眼窩にすっぽりと収まり、決してポロッと落ちてしまうこともありません。

今この記事を読めているのも、神経のサイクルが正常に働いているからになります。今ある健康を当たり前と思うのではなく、自身の健康に感謝しましょう。そして、日頃からの予防で体を労わってあげてください。
予防という選択肢
予防という点で、カイロプラクティックは有効な選択肢の一つだと考えています。皆さんも、日頃の予防にカイロプラクティックを取り入れ、健康な体を維持しましょう!
こんなときは、医療機関へ
急に見えにくくなった、視野が欠ける、強い目の痛みや頭痛を伴う、物が二重に見えるといった場合は、早めに眼科などの医療機関を受診してください。

執筆者塩川 雅士D.C.
1980年、東京都生まれ。17才で渡米後、2004年パーマーカイロプラクティック大学を優等で卒業。D.C.の称号取得。米国ナショナルボード合格。日本カイロプラクティックリサーチ協会(JCRA)役員。2005年からカイロプラクターを育成する学校の運営と講師に携わり、現在、年間約300時間の講義やセミナーなどの活動を全国で精力的に行っている。



