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2021.01.05

肝臓の特徴と働きから考えるカイロプラクティックの有効性

カテゴリ: 身体の不思議
肝臓の特徴と働きから考えるカイロプラクティックの有効性

あなたは、体の臓器で1番の頑張り屋さんを知っていますか? それは肝臓という臓器になります。今回のコラムでは、肝臓への知識を高め、少しでも頑張っている肝臓を労わり、感謝して頂けたらと思います。 また、カイロプラクティック・ケアがどのように肝臓と関係しているのかもお伝えしていきます。

肝臓の3つの特徴とは?

①最も大きく重い臓器

肝臓は人体の中で最も大きい臓器になります。 重量は、男性で1000~1500グラム、女性で1000~1300グラムと、他の臓器と比べ物にならないほど重い臓器になります。

その重さは、体の司令塔である “脳” とならんで一番重たい臓器になります。 肝臓では、生きるために必要な様々な働きをしていますが、痛みを伝える神経が少なく「沈黙の臓器」とも言われています。

②最も熱い臓器

肝臓の働きは多岐にわたるため、多量の熱を発生させます。 人体が産み出す熱量は、ふだんの生活では1日約2700キロカロリー程度になります。

器官別では骨格筋が1570キロカロリーとダントツですが、肝臓は2番目に多く600キロカロリーを産出しています。

これは全体の22%にあたり、臓器の中ではナンバー1になります。 肝臓の機能が低下すると、解毒もできなくなり、基礎代謝も低下するので、肥満の原因にもなってしまいます。

③驚異の再生能力

肝臓には、約2500億個もの細胞が存在しています。 なんと健康な肝臓なら約70%切り取っても2週間後には元の重さまで再生してくれます。

こんな能力は数ある臓器の中でも肝臓だけになります。 人間の身体には自然治癒力が備わっていますが、肝臓は体の他の臓器と比べても抜群の再生能力と再生スピードが備わっています。

その1つ1つの細胞に驚異的な再生能力があり、肝臓が人体にとって重要な臓器であることが分かります。

肝臓の3つの働きとは?

①栄養素の分解・合成・貯蔵

人間は食べた物の栄養素をそのままの状態ではうまく使えません。 胃や腸で消化・吸収した後、吸収した栄養を人間が使いやすいエネルギーに変え、そのエネルギーを全身に送り出し、貯えを行っています。

これらの分解や合成の事を代謝と言います。 つまり肝臓がうまく機能しなくなると、代謝異常が起こります。

また、大量の血液を貯え血液量が不足したときに補うのも重要な役割もあります。 肝臓には栄養素を乗せた血液が1分間に1000~1800ミリリットル流れ込みます。

これは、心臓から送りだされる血液の約30%に相当します。 栄養のある食事をしていても、なんだかやる気が出てこないことや、すぐに疲れてしまう時は、肝臓の機能が低下している身体のシグナルかもしれません。

②有害物質の解毒

肝臓は、アルコールやニコチンなどの人体にとって有害なものを無毒化してくれます。

一度で分解しきれなくても、何度も肝臓に送られ処理されることで無害なものに処理されていきます。

だからといって、なんでも過剰になってはいけません。 肝臓にも、限界があります。

常に500種類以上もの働きを休むことなく行っている肝臓に負荷を与え続ければ、どんだけ優れても限界はあります。 時には、肝臓のことを考え、労わってあげる時間も考えてみてはいかがでしょうか?

③消化吸収を助ける胆汁の産生

食べ物によって異なりますが、胆汁は1日に約600㎖分泌されます。

胆汁は、すい臓で作られたすい液の消化酵素の働きを助ける液体になります。 主に脂肪やタンパク質の分解を手伝ってくれます。 この働きによって脂肪は腸から吸収されやすくなります。

まず食べたものの成分を神経を通じて脳は把握します。 そして適切な量の胆汁を分泌し、消化吸収といった働きを行ってくれます。 神経伝達に障害が生じることで肝臓の機能が低下します。

その結果、胆汁の分泌がうまくいかなくなり、白目や皮膚が黄色くなる黄疸のような症状が出てしまう場合もあります。

肝臓の状態は、「肝臓の窓」である目から分析

肝臓の状態が現れやすいのが「目」になります。 目は顔の中でも特に多くの血液を必要とする器官で、毛細血管がびっしりと張り巡らされています。

肝臓の働きが低下することで、目に血液が十分にゆきわたらなくなり、目が疲れる、ぼやける、かすむ、視力低下、ドライアイといった症状が現れてきます。

さらに白目が血走り、目のまわりにクマやシワが出やすくなります。 目は、「肝臓の窓」とも言われています。

肝臓の負担を減らすためには、まず食べ過ぎや飲み過ぎをやめることが大切になります。 特に肉類のとり過ぎは血液の汚れを招きやすく、肝臓は解毒に追われてしまうので控えめにしましょう。

逆に、アサリやイカ・タコなどに含まれるタウリンが、肝臓の働きを助けます。 また、ホウレンソウやニンジンやブルーベリーなど、目の働きに大切なβカロチンやアントシアニンが多く含まれる食材もしっかり摂りましょう。

食事以外では、肝臓の血流をよくするため、腹巻きをして右上腹部を温めることも有効な方法でもありますし、目が疲れたときも閉じたまままぶたの上から熱い蒸しタオルなどで数分温めると血流がよくなって楽になりますのでぜひ試してみてください。

カイロプラクティック・ケアと肝臓の関係性

どれだけ、食事制限や運動などといった生活習慣を見直したところで、身体の状態を脳が把握することが出来なければ、肝臓が正常に機能することはありません。

身体の異常を察知するのは“脳”ですが、“脳”は“神経”を通して身体の情報を受け取っています。

甘いものやお酒はほどほどに楽しみながら、カイロプラクティック・ケアで心と身体を豊かにし素晴らしい人生を楽しみましょう!

前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。2007年から2016年の間、某大手運送会社で統括運行管理者として勤務。その中で遭遇した数多くの事故を通じて、命の尊さや体調管理の重要性と向き合う。歩けないほどの腰痛に見舞われるが、カイロプラクティックを受け改善。カイロプラクティックを学ぶことを決意しシオカワスクール入学にする。現在は塩川カイロプラクティック治療室で副院長として施術を担当し、地元である神奈川県藤沢市での施術も行っている。また48年続くシオカワスクールでは講師/インストラクターを担当し、後任の育成にも力を入れて活動している。

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