カイロプラクティックと聴覚は切っても切れない関係

近年、高齢化が進み、聴覚の重要性が増しています。
最近の研究論文では、認知症やうつ病と難聴との関連性も指摘されています。
正常に聴覚が機能すると、人や社会とのつながりが増えます。
そのため、病気の予防につながると言われています。
今回のコラムでは、聴覚の重要性をお伝えします。
また、カイロプラクティックと聴覚の関係性もお伝えしていきます。
身体のバランス維持に重要な要素
私たちは普段、どのように体のバランスを保っていると思いますか?
実は、耳が体のバランスを保つ上で大きな役割を持っています。
もし私たちが目からの情報だけでバランスを保っているとしたら、どうなるでしょうか。
今この場で目をつぶった瞬間に、バランスを崩すことになります。
耳の中にある平衡器
しかし、そんなことは起きません。
耳には、外部からの情報を聴覚で捉える感覚器の役割があります。
さらに、体のバランスを保つ平衡器としての役割もあります。
これらの重要な機能は、耳の奥の骨に囲まれた内耳で行われています。
聴覚は、音を聞き分ける蝸牛という器官が担当しています。
一方、頭や体の傾きは、三半規管と前庭器官が感知してバランスをとっています。
また、気圧が変化して耳がキーンとしたときは、耳管から空気を抜いて調節しています。
耳管は、耳と咽頭をつなぐ管です。
バランスを処理する“脳”と“神経”
体のバランスを保つために、目や耳からさまざまな情報を得ています。
その情報を正しく処理して、バランスをとれるようにしているのは “脳” です。
では、その情報はどのようにして “脳” まで伝わるのでしょうか。
それは “神経” です。
フィギュアスケート選手の秘密
ところで、フィギュアスケートの選手は、高速回転しても目を回しません。また、なぜか気になったことはありませんか?
耳には、体の動きを敏感に捉える高性能のセンサーが備わっています。
センサーで捉えた回転情報は “神経” を伝わります。
そして、“脳” がその情報を処理します。
普通の人との違い
普通の人は、すぐに限界が来ます。
眼振(がんしん)という現象が起きます。さらに、目が上下左右に振れて、バランスを崩してしまいます。
しかし、フィギュアスケートの選手は違います。そして、訓練によってGABAという “神経伝達物質” を分泌します。“脳” から分泌されるものです。
それによって、眼振が起こらないようにしています。
脳が分泌する神経伝達物質
その証拠に、普段右回しばかり練習している選手は、左回りだと目を回します。また、GABAが分泌されないためです。
ちなみに、金メダリストのプルシェンコ選手は、左右どちらに回っても問題ないそうです。
カイロプラクティックと聴覚の関係性
聴覚の問題の多くは、原因不明と言われることが多くあります。
そのため、ほとんどのケースで、安静にするか薬での治療が行われています。
カイロプラクティックは、肩こりや腰痛の時に通うイメージが強いかもしれません。
しかし、歴史上、初めての患者さんは、耳が聞こえない症状をお持ちの方でした。
初めての患者さんの話
最初のアジャストメント
1895年9月18日、D・D・パーマーが初めてアジャストメントを行いました。
相手は、清掃作業員のハービー・リラードです。
リラードは、17年前に重い物を持ちました。さらに、そのとき背中でボキッと音が鳴ったと、パーマーに伝えました。
その後すぐに、耳が聞こえなくなったそうです。
アジャストメントの結果
パーマーはリラードの背骨を調べ、異常な箇所を見つけました。そして、アジャストメントをしました。
すると、数回のアジャストメントで、リラードは耳が聞こえるようになりました。
“神経” の流れを正常にしたことで、“脳” が身体の状態を正しく認識できたのですね!
そして、“自然治癒力” が働いたのです。
“脳” が持つ自然治癒力
“脳” が持つ自然治癒力
話を戻します。そして、耳に関する症状が原因不明なら、対処のしようがないと思うかもしれません。
しかし、そうではありません。
私たちの “脳” は、“身体” のすべての状態を正確に把握しています。
そして、身体に起きた問題には、すべて的確に素早く対応してくれます。
その力は “自然治癒力” とか “先天性治癒力” と呼ばれています。
この力は、決して間違いを起こしません。
また、薬のような副作用もありません。
サブラクセーションとは
しかし、それを阻害するものがサブラクセーションです。
サブラクセーションとは、“脳“ と “身体” の情報のやり取りが滞った状態です。
症状は体からのサイン
そもそも身体に現れる症状は、“身体” から “脳” へのSOSのサインです。
そのサインを薬で隠すだけでなく、定期的なケアで健康な体を維持しましょう!
カイロプラクティックで神経の流れを整えることは、聴覚やバランス感覚にも良い影響があると考えます。

執筆者塩川 雅士D.C.
1980年、東京都生まれ。17才で渡米後、2004年パーマーカイロプラクティック大学を優等で卒業。D.C.の称号取得。米国ナショナルボード合格。日本カイロプラクティックリサーチ協会(JCRA)役員。2005年からカイロプラクターを育成する学校の運営と講師に携わり、現在、年間約300時間の講義やセミナーなどの活動を全国で精力的に行っている。



