カイロプラクティックと医療のアプローチの違いとは?
体の不調で病院に行ってレントゲン撮影や様々な検査の結果が異常なし、痛み止めや湿布を処方され、「安静にして様子を見ましょう」と言われた経験はありませんか?
痛みは一向に良くならず、どうしていい分からないで悩んでいませんか?
当院でも、このような体験をして来院され患者様も少なくはありません。 確かに痛み止めのお薬は、症状を和らげることはできますが、根本原因の改善には至りません。
今回のコラムでは、問題の根本改善をするより良い方法をご紹介すると同時にカイロプラクティックと医療のアプローチの違いを分かりやすく解説していきます。
根本改善するための重要なものとは?
まず、知って欲しいことは、痛みや症状を感じるのは神経になります。 神経が正しく流れることで体の機能は正常に働きます。
脳と体は神経を介して情報をやりとりしながら調節しています。 脳は、神経から電気信号での情報を受け取り、その情報交換によって体の状態を脳が把握することで免疫機能や傷の治癒や環境の変化に合わせて調節が機能できます。
例えば、晴れた暑い日に外に出ると、瞳が縮んで眩しくないように調節してくれます。暑くなれば汗をかいて、寒くなれば汗腺が閉まり鳥肌が立ち、体はいつも同じ体温を保ってくれています。
これらすべての調節に、神経が関与しています。そもそも、痛みや症状を感じる時は何かがおかしいという身体のシグナルになります。
医療でのアプローチ
まさに痛みを止めるお薬は、体のシグナルを消しているのと同じということになります。 体の危険を知らしてくれるシグナルを消してしまえば、危険な状態を脳は把握することができないことになります。
危険な状態が続けば、いずれは体が限界を越えて壊れてしまいます。 もちろん、夜眠ることができないくらいの痛みや日常生活に支障がでるくらいの痛みが続くのであれば、痛み止めのお薬で一時的に抑える手段も1つの選択ではあります。
ここで重要なことは、“お薬があるから大丈夫” “安心だ”と、問題に対しての対策法を見つけようとしないことになります。
痛みや症状を感じる時は、何か注意が必要だという身体のシグナルになります。 多くの人が病院にお世話になる時には、慢性化し時間が経過している状態になっていることが多くあります。
病院でのレントゲンやMRI分析から椎間板の突出や椎間板の幅の狭まりが原因による神経の圧迫や骨が変形して神経を圧迫や患部が炎症して神経が過敏になっているなどと診断されたことが一度はあるのではないでしょうか?
そしてこれらの問題に対して、加齢やこれまでの生活習慣が原因と言われてしまい、どうしようもないと諦めてしまってはいませんか?
カイロプラクティックでのアプローチ
カイロプラクティック的に考えるとこれらはすべて体の防御反応と考えます。 体にとって最も大切なのは、脳から全身に張り巡らされている神経になります。
その神経を保護する為に椎間板を狭め、高さを低くすることで安定性を与えています。
骨が変形するのも神経を保護するために骨の形を変え補強しています。 患部の炎症は、損傷した部分に栄養を送るために代謝を上げています。
体のすべての反応には必ず理由があります。 体が慢性化する前に必ず体は様々なシグナルを私たちの身体に教えてくれています。
そのシグナルに耳を傾け、初期の状態に対処することが身体にとって一番安心なケアだと言えます。
例えば、初期の状態で言えば、“疲れ”が挙げられます。
“疲れたな~” “体が重たいな~” “朝起きても疲れがとれないな~”と感じている時こそ初期の身体のシグナルになります。
体が慢性化する前にしっかりとメンテナンスする予防こそ、本当の健康ではないでしょうか。
そしてこれこそがカイロプラクティックの最大の魅力になります。 もちろん私たちの日常生活で病院には重要な役割があり、多くの人が助けられ感謝されます。
医療のアプローチにはその役割があり、カイロプラクティックのアプローチにもその役割があります。
それぞれの役割をしっかりと把握した上で、体にとってベストな選択をして欲しいと願っています。
執筆者塩川 雅士D.C.
1980年、東京都生まれ。17才で渡米後、2004年パーマーカイロプラクティック大学を優等で卒業。D.C.の称号取得。米国ナショナルボード合格。日本カイロプラクティックリサーチ協会(JCRA)役員。2005年からカイロプラクターを育成する学校の運営と講師に携わり、現在、年間約300時間の講義やセミナーなどの活動を全国で精力的に行っている。