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2020.11.10

自律神経のバランスを整える10個の方法

自律神経のバランスを整える10個の方法

自律神経とは?

自律神経は、誰にでも元々備わっている本来のリズムで、その働きを高めるために努力することは必要ありません。そして、自律神経は意思によってその働きを変えることはありません。

心臓を止めること、汗を止めること、胃腸の働きを止めること、体中の血流を止めること、鳥肌を止めること、すべて、意識していないのにちゃんと働いてくれています。暑いと自発的に汗をかき、寒いと自動的に震えて体温を一定にします。血液や呼吸や代謝や体温調整などの自分の意思でコントロールできないことを24時間休むことなく働いているのが自律神経なのです。自律神経が安定することで、本来の身体の機能が正常になります。1つ1つの臓器も正常に働き、疲労も回復しやすくなり、顔色も良くなります。身体の状態が改善することで心の状態も安定していきます。

2種類の自律神経

自律神経には、「交感神経」「副交感神経」があります。この2つは交代して働いています。どちらかが働いている間は、もう片方の働きのスイッチはオフになります。 

交感神経は車で言うとアクセルで体が活発に働きます。副交感神経はブレーキのような役割があり、体が休んでいる時に働いていています。心と体が最も良い状態で働くのは、この交感神経と副交感神経の両者がバランスのとれた状態こそ、私たちの健康を維持することができます。

アクセルだけでは、体は暴走してしまいますし、ブレーキだけでは動きません。この2つの神経の働きは、1日の中で優位になるタイミングが異なります。昼間は交感神経が優位になり、夜は副交感神経が優位になります。昼間は心拍や血圧が上昇し、夜は下降し、胃腸の働きが活発になります。この自律神経のリズム(体内時計)に合わせて生活するのが、健康への第1歩になります。

自律神経のバランスを整える10個の方法

自律神経のバランスが乱れないに越したことはありませんが、生きている限り必ず起こりえます。大事なことは、自律神経が乱れないように頑張るのではなく、自律神経が乱れてもそれを整える知恵があるかになります。

まずは、自分の体が今どのような状態か把握することで初めて対処することができます。そして自覚するためには体の声をよく聞くことが重要になります。自律神経のバランスを整えるために頑張るのではなく、今置かれている環境で何が工夫できるかを考えることから始めてみましょう。

①定期的なカイロプラクティック・ケア

カイロプラクティック・ケアを受けることによって脳と体のサイクルが正常になり、脳がしっかりと体の状態や外の環境の変化を把握することができます。私たちの体は、24時間休むことなく環境の変化に常に適応するようにプログラミングされています。

そこで重要な働きがあるのが神経です。自律神経のバランスが乱れる根本原因は、サブラクセーション(神経伝達の妨害)によって脳が正確に体の状態や外の環境を把握することができない状態になっていることになります。

定期的に車を点検することや、定期的に歯のクリーニングをすることと同様に、定期的にカイロプラクティック・ケアを受けることで、神経の流れを正常な状態に保っていくことが環境の変化への適応を高め、免疫力が向上し、ホルモンバランスが正常になり、自律神経のバランスを保つことができるのです。この機会にぜひカイロプラクティックで体のケアを始めてみてください。

②手を広げて、親指の力を抜く

緊張している時は、自然と手に力が入っています。例えば車の運転時でのハンドルを握りしめる時、結婚式のスピーチや会議でのプレゼンテーションなど人前で話す時、ゴルフでの大事なショットの時などを想像してみてください。 気持ちが緊張すると体はこわばってしまい、知らないうちに握りこぶしを作って親指に力が入っているのではないでしょうか。 逆に力を抜いて手を広げていると自然と心も体もリラックスしてきます。

日常生活から手の力を抜く意識をすることで習慣になり、自然と自律神経が安定していきます。自律神経のバランスを整えるために体の外に答えを探すのではなく、まず体の内と対話をすることから始めて見ましょう。まずはできることから始めることが大切になります。焦らずに最初はコップを持つ時やペンを持つ時など親指の力を抜くことから始めてみましょう。

③ゆっくりこまめに水分補給

緊張している時や、忙しい時にこそ、お水や白湯を飲むことによって胃腸を刺激し、副交感神経の働きを高めて緊張をほぐしてくれます。また、水分取り入れた時に胃腸が活発に活動を始め、サラサラな血液が身体の隅々に行き渡る様子をイメージすることで、副交感神経はさらに効果が上がります。

量ではなく、置かれた環境やまたは体の状態に合わせて水分補給を実践することが重要になります。正しい水分補給ができれば、血液がサラサラになり、自律神経も安定していきます。水分のとり過ぎで体がむくみと不安を感じている人もいますが、実はむくみというのは体内の慢性的な水不足が原因と言われています。自律神経のバランスの乱れることで、身体の水分を上手に排出できていない状態なのです。一度にたくさん飲む必要はなく、こまめに水分補給を心掛けましょう。

④ゆっくり食事して噛む回数を増やす

噛む回数を増やすことで、副交感神経が刺激されます。特に忙しい時は、食事も早く済ませ、噛む回数が少なくなります。早食いは脳の満腹中枢が察知する前に食べ過ぎてしまいますし、消化吸収がうまくできずエネルギーが体脂肪として蓄積されてしまいます。

早食いの人は、食べ物を口に入れた時に触感や味などを感じながら食べるようにすると自然とゆっくりと食事をすることができます。また、食材の味を良く感じることができるので食事も楽しくなります。

噛む回数が増えれば、唾液の量も増加します。唾液には、消化酵素や免疫物質や若返りホルモンなども含まれるので、噛む回数は、自律神経のバランスのみならず、健康に大きく影響を与えています。

⑤ゆっくりと深呼吸をする

深く息を吸うと肺にたっぷり酸素が入ってきます、ポイントは、口元をゆるめてリラックスして、4秒ほどかけて行きを吸ったら、ゆっくり8秒かけて吐く、1対2の長さが重要になります。

細かい呼吸の仕方は気にしなくて、まずは、10回くらい繰り返して深呼吸の習慣をつけましょう。特に寝れない時、落ち込んだ時、イライラした時、集中しすぎた時、不安な時、緊張した時は、呼吸が浅くなっているので、深呼吸をすることを忘れないようにしましょう。

⑥姿勢を良くする

嫌なことやストレスなことがあると、笑顔が消えて自然に顔は下を向き姿勢が悪くなってしまいます。すると気道が狭まり呼吸が浅くなり、自律神経のバランスが乱れる要因になります。

自律神経のバランスを整えるためには、逆に肩の力を抜いて、胸を張って、そして空を見上げるように少し頭を上げる。こうした背筋を伸ばして、上を向くと自然と呼吸が深くなります。

また、長時間のスマホのように下を向く姿勢も同じです。意識的に上を見て、外にいるときは空を見上げることで自然と姿勢は変わっていきます。

⑦ゆっくりを心掛ける

様々な行動を『ゆっくり』行うと自然と自律神経のバランスが整います。重要なことは、緊張することを避けるのではなく、緊張は味方くらいに考えると良いでしょう。

ここぞという時に集中力を高めるのに緊張は必要になります。緊張と同時にほどよくリラックスしている状態が大切になります。今の状況を良くしたい、生活を変えたいと思ったら、日常の動作のスピードをいつもの6割くらいに落として行動してみてください。「ゆっくり話す」、「ゆっくり歩く」、「ゆっくり食べる」、できることろから取り組んでみましょう。

⑧体内時計に従った生活を心掛ける

早寝早起など生活のリズムを整え、体内時計に従うことで自律神経のバランスは整っていきます。重要なことは決まった時間に寝て、決まった時間に起き、決まった時間に食事をすることが基本になります。

1日3食を決まった時間に食べることが、自律神経の安定には欠かせません。「何を」食べるかよりも「いつ」食べるかが大事になってきます。食べたものは約6時間で小腸の末端に達するので、体のリズムとしては6時間ごとの食事が理想的です。ただ夜遅くの食事は体に負担がかかるので、夕飯は午後8時頃までには済ませることが大切になります。

どうしても遅くなってしまう時は分量を調節して胃腸に負担をかけないように心がけましょう。そして、夕飯後の3時間は腸のゴールデンタイムになります。副交感神経が優位になり、腸が食べ物を消化してくれる対峙な時間です。

体がオンからオフに切り替わり、睡眠の準備が整ってきます。夕飯後すぐに寝てしまうと栄養が脂肪として蓄積され、眠りも浅くなり、翌朝にも悪影響が出てきます。夕飯後の3時間はゆったり過ごししてみましょう。

⑨ゆっくりお風呂につかる

ついつい忙しくなるとお風呂の時間が取れないことが多くなります。湯船にお湯をためるのにも時間がかかり、シャワーだけで済ますことが多いのではありませんか?そんなときは、1週間に数日は必ず湯船につかるという決め事を作ることが大切になります。

39~40度のお湯に最低でも15分はつかるようにしましょう。熱いお風呂は交感神経を刺激してしまいます。できれば、最初の5分は肩までつかり、その後はみぞおちまでの半身浴で10分、この入浴法は交感神経から副交感神経にうまくスイッチされます。また体が芯から温まり、新陳代謝が促されます。

また、温冷浴は交感神経も副交感神経も刺激され全身の血行が良くなります。温水と冷水のシャワーを3~4回繰り返して最後は冷水で終わると良いでしょう。理想的には、温水と冷水の温度差が30度ほどあると良いですが、最初は手足に冷水を10秒かけるくらいから始めてみましょう。

⑩就寝する前の準備

日中の緊張がほぐれない人は、交感神経が高ぶり過ぎてうまく興奮のスイッチをオフにすることができません。リラックスする為にお風呂に入ったり、部屋を暗くしたり、リラックスする音楽を聴いてみたりしてもスイッチがうまくオフにできないことがあります。

そんなときは、軽く体を動かすことで自律神経のスイッチがうまく切り替えることができます。ラジオ体操や軽いストレッチなどで体を動かしてみてください。または、お部屋の掃除をすることもお勧めです。1日1カ所20分くらいだけ部屋の片づけを行うことで体を動かすことに繋がります。

執筆者塩川 雅士D.C.

1980年、東京都生まれ。17才で渡米後、2004年パーマーカイロプラクティック大学を優等で卒業。D.C.の称号取得。米国ナショナルボード合格。日本カイロプラクティックリサーチ協会(JCRA)役員。2005年からカイロプラクターを育成する学校の運営と講師に携わり、現在、年間約300時間の講義やセミナーなどの活動を全国で精力的に行っている。

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