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2021.10.04

心臓が1日に送る血液量は、なんと8トン!

カテゴリ: 身体の不思議
心臓が1日に送る血液量は、なんと8トン!

心臓は胸の中心からやや左側にあり、大きさはこぶし大ほどの全て筋肉でできています。運動した時や感情的に興奮することによって活発になり、リラックスしている時や感情が穏やかになると安定したリズムを刻みます。

脈で心臓のポンプ音が確認でき、血液に酸素と栄養を載せて全身に送り出し、車でエンジン部分に当たる臓器でもっとも重要な臓器の一つになります。

今回のコラムでは、この心臓の機能についてお伝えしていきます。

不眠不休で血液を循環させる血流ポンプ

規則正しく拍動して血液を全身に循環させるポンプの役割を果たしているのが心臓となります。 血液には酸素や栄養素など、人間が生きる上でかかせない成分を運んでいるものなので、血液を全身に循環させる心臓の役割はとても大きなものとなります。

心臓の内部は右心房と右心室、左心房と左心室の4つの部屋に分かれています。 左右の心室の血液の出入り口には、それぞれ弁が付いていて、血液の逆流を防いでいます。

心臓の壁は心筋という特有の筋肉でできており、それぞれの心筋細胞は互いにつながっていて、歩調を合わせて収縮と弛緩をくり返しています。 送り出された動脈血は、帰り道に各組織から二酸化炭素を回収し、静脈血となって心臓に戻ってきます。 この血液循環をスムーズに行うために、心臓の右心房付近の洞結節というところに独自のペースメーカーをもっています。

心臓の収縮を指令するための電気刺激が通常1分間に約60~80回のペースで作られています。 洞結節で作られた電気刺激は、「刺激伝導系」と呼ばれる心臓内に張りめぐらされた電気の通り道へと伝達されます。 心臓はこの電気信号が自発的に発生する機能をもっているため、体外に取り出してもしばらくは動き続けます。

ちなみに、心電図というのは心筋が拡張と収縮をくり返すとき発生する微弱な活動電流を測定しています。 この変化を波形として記録し、その乱れから病気の徴候を読み取ろうとするのが心電図検査となります。 正常なときは収縮のリズムで大きな鋭い波のほかに、小さな波がいくつか現れますが、異常があるとこの波形が乱れます。

心臓自体はどのように酸素や栄養素を得ているかというと、心臓の外側を取り巻く専用の冠状動脈から得ています。 この動脈が動脈硬化などで詰まると十分な血液が回らない状態・虚血となります。 これが狭心症というもので、心臓が酸欠になり胸に痛みが生じます。 さらに悪化し、心筋の一部が壊死した状態が心筋梗塞となります。 これらの状態が虚血性心疾患というものになります。

心臓が一日に送る血液量は8トン

心臓は絶えず収縮と弛緩を繰り返し、そのポンプ作用によって血液を循環させています。 酸素や栄養素を血液に乗せて全身に送り、老廃物や二酸化炭素を運び出すことは生命活動の基本となるメカニズムであり、仮に心臓が機能を停止するようなことがあれば、それは即ち死を意味します。

安静時、心臓は1分間に平均して70回拍動します。 このとき、一回の拍動で約80㎖の血液が押し出されます。 つまり、1分間にすると80㎖×70回で5600㎖、ビール大瓶(633㎖)で約9本分の血液が拍出されることになります。 これを1日24時間でみると約8トン(8000ℓ)とドラム缶40本に匹敵する量となります。 人生を仮に80年とした場合では約24万トンと大型タンカー並みの量が拍出されることとなります。

このように人間の生命の核をなす心臓ですが、産まれてしばらくすると心臓内のほぼすべての細胞が分裂しなくなります。 これは、細胞分裂によって起こるガンを予防するためとなります。 全身の血液量は、健康状態に問題がない場合で体重の約13分の1とされています。

男女別では、男性がやや比率が高く、約8%。女性が約7%程度となります。 体重65㎏の男性では約5㎏、体重50㎏の女性では約3.5㎏が血液の重さということになります。 血液は各細胞に栄養や酸素を送り届けるなど、生体維持に関わる重要な役割があります。

したがって、多くの血液を失うと健康を損なうばかりではなく、生命の危機にもつながります。 一般的に、全血液量の7分の1程度が失われても、医学的にはただちに健康上の問題は起きないとされていますが、5分の1以上が失われると酸素欠乏状態に陥ります。

さらに、急速に血が失われた場合、失血量が全血液量の3分の1以上に達すると失血性のショックで失神。 この時点でかなり重篤な状態で、生命の危機となります。 そして、失血量が全量の2分の1に達すると即死してしまいます。

カイロプラクティックでのアプローチ

心臓が全身に血液を送り出すという正常な機能を行うためには、脳が心臓の状態をしっかり把握することが重要になります。もし、脳と心臓を繋いでいる神経に阻害が生じると、脳は心臓の状態を把握することができません。

このような状態では、心臓がうまく機能することができず、血圧の異常、酸素不足などから疲れやすくなったりといった症状に繋がってしまいます。

カイロプラクティック・ケアによって神経の流れを正常にし、脳が身体の状態を把握することができれば、正常な心臓の機能を保ち続けることができます。

執筆者塩川 雅士D.C.

1980年、東京都生まれ。17才で渡米後、2004年パーマーカイロプラクティック大学を優等で卒業。D.C.の称号取得。米国ナショナルボード合格。日本カイロプラクティックリサーチ協会(JCRA)役員。2005年からカイロプラクターを育成する学校の運営と講師に携わり、現在、年間約300時間の講義やセミナーなどの活動を全国で精力的に行っている。

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