動悸の原因を自分との対話で見つけ出す
先日ある動悸で悩まれている患者様が来院されました。
開口一番
「先生、動悸がすごいんです。」
いつ来るかわからない、突然の動悸。に悩まされているとのことでした。
ご本人は「本当に怖くて…心臓がどうかなっちゃったんじゃないかと不安なんです」と仰っていました。
そして、私にこう質問しました。
「先生、この動悸の原因って何なんですかね?」
その不安なお気持ち、痛いほどよくわかります。
誰だって、体の不調の原因を専門家に特定してもらい、安心したいものです。
でも、私は正直にお伝えしました。
「私には、これまでの患者さまの統計や傾向くらいしか分かりません。~~さんの体のことは、~~さんご自身が一番詳しいですし、一番の理解者であるはずです。ぜひ一緒に動悸が出る癖や傾向などを考えてみませんか?」
冷たく突き放したわけでは全くありません。
これが、本当の治癒への一番の近道だからです。
答えは「問診」ではなく「自分との対話」にある
私は何度か質問を繰り返しました。
「何か動悸が出る時に、共通するパターンや傾向はありませんか?」
「一緒に思い出してみましょう」
「最近はいつが動悸が強かったですか?」
すると、患者様は仰いました。
「そういえば…急に振られた仕事をこなさなければいけない時とか、締め切りが近い仕事がある次の日の朝は、動悸が強いかもしれません」
この瞬間こそが、自分の内側に目を向けた瞬間といえます。
そしてお帰りの際、その方はこう仰いました。
「仕事が詰まった時や、締め切りが近い時は、ちょっと気をつけて生活してみますね」
私たちが広めたい「インサイドアウトの健康文化」そのものを共に探りながら、最後は患者様ご自身が見出してくださいました。
アウトサイド・インからの脱却
もし私が仮に「それは自律神経の乱れですね」などと一方的に決めつけ、ケアだけをしていたらどうなっていたでしょうか?
患者様は「先生に治してもらう(アウトサイド・イン)」という依存状態のままだったでしょう。
でも、その方はご自身で傾向を見つけ、対策まで考えることができました。
主導権を自分の手に取り戻したのです。
多くの方は、不調を薬や天気のせいにしたり、
「もう歳だから」「体質だから」と諦めてしまいます。
しかし、人間の身体には無限の価値があります。
あなたの中には、生まれながらにして備わっている素晴らしい治癒力、生命力が存在しています。
症状は「結果」、原因は「内側」
痛みや症状は、敵ではありません。
「今、無理してるよ!」という体からのSOSであり、あなたを守るためのサインです。
もちろん、痛みを欲する方はあまりいらっしゃらないかと思いますが、痛みが出たり、症状が出ているときはご自身と対話するべきであるお知らせなのです。
症状という「結果」に一喜一憂するのではなく、 「なぜ起きたのか?」という「原因」に目を向けると、
「ああ、教えてくれてありがとう。少し休むね」という結論に至るのです。
生きている限り、症状は出てきます。
それは避けるべき悪いことではなく、あなたを守るための機能です。
この「自分の体と対話する文化」を日本中に広めることができたら、 日本はもっと豊かで、健やかな国になると確信しています。
治癒のスイッチは、病院にも薬局にもありません。 あなたの内側にしか、ないのです。

執筆者関野 貴友
大阪府出身。19歳よりスポーツトレーナーの専門分野を学び始める。後に、鍼灸あん摩マッサージ指圧師の国家資格を取得。また、不眠症をはじめとした睡眠障害の研究に打ち込む。様々な治療法を調べるうち、塩川満章先生に出会い、先生の助言のもと、都内の鍼灸院に勤務と同時に、シオカワスクールに入校。カイロプラクティックの素晴らしさを再認識し、現在は塩川カイロプラクティックにて施術を行う。スクールではインストラクターも担当しており、後進の育成にも力を入れている。皆様にもカイロプラクティックの魅力を提供できますよう、尽力いたします。



