塩川カイロプラクティック塩川カイロプラクティック

膝痛

膝痛

自力で階段を降りることもできなくなってしまった

60代女性
来院に至った経緯

10数年前に旅行先でマッサージを受けた後、両膝に激痛が走った。2階にある店舗だったが、自力で階段を降りることもできなくなってしまった。その後、しばらく経っても症状が改善されなかったため、整形外科で膝に溜まった水を抜きヒアルロン酸注射を打った。多少痛みは軽減したものの、痛みをかばって歩いているせいか、両脚がO脚になってきてしまった。

徐々に階段を降りる動作が困難になり、床に座ると立ち上がることができなくなった為、イスでの生活をしていたが、長時間イスに座ったあとは歩くまでに時間がかかることがあった。

その後、痛みを抱えたまま仕事をしていたが、半年前に再び両膝の激痛に襲われ歩けなくなってしまう。 病院でブロック注射を打つものの、ほとんど症状は改善されなかった。この頃には仰向けで寝ていると膝が伸びないため痛みで眠ることができなくなっていた。

横向きで寝ていても自らの上に乗っている脚の重さで下になっている膝に痛みが出たり、冬場は布団の重みでも両膝に痛みが走ったり、寝返りを打つたびに痛みで起きてしまい、日常生活だけでなく睡眠時にも支障をきたすようになってしまった。

減圧カプセル、針治療、整体といろいろ試してきたが改善には至らなかった。 手術も検討していたが、知人から「絶対におススメだから手術する前に行ってみて!」と紹介され来院された。

初診の状態
  • 01

    両膝の腫れと可動域制限

  • 02

    右仙腸関節の可動域制限

  • 03

    腰部、背部、頸部の筋緊張

経過と内容

レントゲンの評価では椎間板の段階は腰椎1~2番はD3レベル、腰椎3~4番はD4レベル、腰椎5番はD5~D6に移行している段階でかなり慢性的であると分かった。15年以上の期間、負担がかかっていたと判断し、初期集中期(最初の1か月間)は週3回のケアを提案したが、遠方から通っていたため週2回のケアから開始した。

ケアを始めて2週後(3回のアジャスト)には、仰向けで寝ても膝の痛みはほとんどなくなり、睡眠時に痛みで起きることも少なくなった。 4回目のアジャスト後には、横向きで寝ても膝に痛みが気にならなくなり、痛みで起きることもなくなり朝まで眠れるようになった。

3週後(5回目のアジャスト)には、両ひざを床について四つん這いの姿勢で行う腰の簡単なエクササイズも膝の痛みなくできるようになった。 この頃には歩行スピードも安定し、階段の昇り降りもできるようになった。現在は、週1回のペースに間隔を広げてカイロプラクティック・ケアを行っている。


考察

今回の膝の痛みは、腰椎5番の椎間板がD5~D6レベルだったため15年以上の慢性的な状態が続いていた。 腰の椎間板や骨盤に15年以上の負荷がかかった結果、膝にも必要以上の負荷が掛かり続け、歩けないほどの痛みが出たものと考えられる。

また、膝の痛みを長い間かばいながら生活していたため、腰だけでなく、背中、首の筋肉も緊張状態が続き、膝の痛みと合わせて睡眠にも影響していたものと思われる。アジャストメントによりサブラクセーションが取り除かれ、腰と骨盤の神経機能が正常に働いたことで体の情報が脳へ届き、膝の改善にも繋がったと考えられる。

脊柱(背骨や骨盤)が安定したことで、背中や首の筋肉の緊張も解消され、睡眠の質にも向上が見られた。今回のような膝の痛みの場合でも、腰や骨盤のバランスの乱れから、他の部位に負担がかかり痛みとなるケースがある。

脊柱全体(背骨と骨盤)をしっかりと整えることで体全体の安定感が増したことで膝への負担も軽減できる症例だと考えられる。初診時に診られた膝の腫れも引き、膝関節の可動域の向上も見られた。

前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。2007年から2016年の間、某大手運送会社で統括運行管理者として勤務。その中で遭遇した数多くの事故を通じて、命の尊さや体調管理の重要性と向き合う。歩けないほどの腰痛に見舞われるが、カイロプラクティックを受け改善。カイロプラクティックを学ぶことを決意しシオカワスクール入学にする。現在は塩川カイロプラクティック治療室で副院長として施術を担当し、地元である神奈川県藤沢市での施術も行っている。また48年続くシオカワスクールでは講師/インストラクターを担当し、後任の育成にも力を入れて活動している。

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