両方のこめかみにズキズキする頭痛
2014年頃から夕方になると決まって両方のこめかみにズキズキする頭痛が出るようになった。 頭痛が出ている時間帯は呼吸が浅い気がして息苦しさも感じるようになった。 毎日のように出る頭痛に薬を飲むのが当たり前になっていた。
また、2019年末頃から睡眠の質も悪くなり、ほとんど毎晩、夜中に1~2回起きるようになってしまい、朝起きても疲れがまったく取れていない状態が続いていた。不眠症かと思い病院へ行ったが、「ストレスですね」と言われ睡眠薬を処方された。ただ、薬を飲んでも毎晩のように夜中に起きてしまった。
高校生の頃に階段で転んで尾骨を強打した。当初は生理のときだけ腰痛を感じるようになったが、今では仕事中に座っているだけで尾骨の痛みと腰痛を感じるようになった。子供の頃から冷え性もあった。冷え性は手足など末端が冷えてしまい夏場でも手足の冷えを感じていた。
知り合いに勧められてチェーン展開するカイロプラクティック店に通ってみたが、まったく変化がなかった。 引っ越しをきっかけに、もっと良いカイロプラクティックはないかと探していたところ、塩川カイロプラクティック治療室のホームページを見て来院された。
左仙腸関節の明らかな可動域制限
腰部から背部にかけて起立筋の過緊張
上部頸椎の硬直と後頭部の過緊張
初診時の状態では、左仙腸関節の明らかな可動域制限が確認された。体の土台である骨盤の不安定から腰部に負荷がかかる状態が続いていた。その不安定を保護する為に全身の筋肉を緊張させて体を保護している状態が慢性化したことで、腰から後頭部まで筋の硬直が見られた。
レントゲン評価では椎間板の段階はほとんど正常値だったため、初期集中期の段階は週1回のケアから開始した。ケアを始めて3週目(3回目のアジャスト)には、仕事中の腰痛は感じなくなり、生理が来たときでも腰痛は感じなくなった。 また尾骨の痛みも感じなくなった。
4週後(4回目のアジャスト)には、夕方になるとあれほど毎日出ていた頭痛はすっかり治まり、一度も薬を飲むことがなくなった。 頭痛がなくなると呼吸も楽になり、睡眠の質も良くなって夜中に起きる事もなくなった。
5週後(5回目のアジャスト)には、出ていた症状はほとんど治まり、末端の冷えや関節の内側の痒みもまったく出なくなった。 またこの時期からケアのケースを2週間に広げることができた。
現在は、症状はすっかり落ち着いたが、健康な体を保ちたいという想いで1カ月に1度のカイロプラクティック・ケアを続けている。
今回の頭痛、不眠症、末端冷え性は自律神経のバランスの乱れが原因であったと考えられる。 腰痛や尾骨の痛みは高校生の頃に尾骨を強打した結果、土台のバランスが乱れたことで神経系にまで負荷がかかっていた。また、人間の土台の部分である骨盤部の歪みから体全体に負担がかかっている状態が続いていたため、腰部だけではなく、背部、頸部と全身に負担が掛かっていた。
骨盤部や上部頚椎の神経は副交感神経によって支配されており、副交感神経の流れの妨害(サブラクセーション)は、交感神経を過剰にさせる原因となる。 交感神経が過剰に働くと体は緊張状態が続き、それも全身の硬直に繋がっていた。夕方になると出る頭痛は交感神経が優位になっている人の特徴でもある。 副交感神経の流れが阻害(サブラクセーション)され、睡眠時にも交感神経が過剰に働いている状態は、寝入りも悪くするだけでなく、入眠時に中途覚醒してしまう原因にもなっていた。
自律神経の乱れは、血管の拡張/収縮の機能に影響を与える。 体全体の血液循環が悪くなってしまい、末端に血液が循環されずに末端冷え性となっていた。アジャストメントにより神経の圧迫(サブラクセーション)が取り除かれ、体の情報が脳へ届いたことで、しっかりと自然治癒力が働く状態になり、症状の改善に繋がったと考えられる。
執筆者前田 一真
神奈川県藤沢市出身。2007年から2016年の間、某大手運送会社で統括運行管理者として勤務。その中で遭遇した数多くの事故を通じて、命の尊さや体調管理の重要性と向き合う。歩けないほどの腰痛に見舞われるが、カイロプラクティックを受け改善。カイロプラクティックを学ぶことを決意しシオカワスクール入学にする。現在は塩川カイロプラクティック治療室で副院長として施術を担当し、地元である神奈川県藤沢市での施術も行っている。また48年続くシオカワスクールでは講師/インストラクターを担当し、後任の育成にも力を入れて活動している。