塩川カイロプラクティック塩川カイロプラクティック

脊柱管狭窄症

脊柱管狭窄症

階段も這いつくばって上がっていく毎日

60代男性
来院に至った経緯

15年前から歩行困難になるくらいの足の痛みを経験。2年前から右足の痛みで歩行困難。その時は、整形外科で脊柱間狭窄症と診断され、トラマールと血行を良くする薬や週に1回リハビリをして3週間くらいで痛みは解消したが、その後から右足の筋力がなくなり、右太ももが急激に細くなっていった。

今年に入って左右のお尻や左膝や左ふくらはぎと痛みが出始め、2年前と同じように痛みで歩行が困難になった。今回は、痛み止めやトラマールやカロナールやトラムセットなど、薬を服用しても一向に痛みが取れずにいた。

痛みで仕事を辞めなければならないと考えていた。階段も這いつくばって上がっていく毎日。ある日、足の痛みでバス通勤ができなくなっていたので、会社までタクシーを使ったところ、たまたま乗ったタクシーの運転手さんが塩川カイロプラクティック治療室のことを知っていて紹介されて来院する。

初診の状態
  • 01

    右足の重度の筋力低下(特に大腿部前面)

  • 02

    腰部筋の過緊張

  • 03

    疼痛回避姿勢のため前傾

経過と内容

レントゲンの評価から、腰椎4番、5番の椎間板がD5レベルの状態であり、日常生活に支障が出ていることも考慮したうえで初期集中期(初診日から1ヶ月)を週3回、1日2回のケアを始めることになった。

当初は、激痛で治療室に通院するのが大変であったが、ケアを始めて2週間後(16回目のアジャスト)には、痛みの質や強さが変化し始め、歩行のスムーズになった。しかし、未だ腰部の起立筋の緊張や可動域制限が見られたので、そのまま週3回のケアを続けることにした。

ケアを始めて1ヶ月後(27回目のアジャスト)には、階段の上り下りも這うことなくできるようになり、腰部の緊張も緩和され、身体の状態が改善方向に向かい、アジャストメントの保持が可能になったため、週2回のケアに移行した。

ケアの間隔を広げていくと同時に、長時間の歩行の指導を行い、右足の筋力の強化を促した。ケアを始めて2カ月後には、週1回のケアに移行し、徐々にケアの間隔を広げていった。現在では、3週間に1回のメンテナンスを行っている。


考察

腰椎4&5番の椎間板がD5レベルと慢性化し、椎間板の変性が慢性化している状態であった。この段階では、サブラクセーションが最低でも10~15年以上放置されている状態であるため、腰部の筋を硬直させ必死で身体を守っていた。15年前から足を痛め、投薬や運動療法で治療を行ってきたが、根本的な改善に至らずに筋力低下に繋がっていったと考えられる。

初診時では、腰部起立筋の硬直が確認され、骨盤部のサブラクセーションによって、常に左右の骨盤のバランスの乱れが生じ、歩行時に腰部の椎間板に余計なねじれなどの悪影響を及ぼしていたと考えられます。

また、サブラクセーションによって脳が腰部や骨盤部の状態を把握できない状態が続くことで、休息をしても一向に改善する事はなく、負担が蓄積されて行ったと考えられる。骨盤部に対してのアジャストメントを行ったことによって、正常な可動性が復元し、筋の緊張も解消され、神経伝達が正常に行われたことによって疼痛の改善につながった。

今回のケースは、職場が近いこともあり、初期集中期に週3回(1日2回)のケアから始めることができたことが早期の改善に繋がったと考えられる。

塩川 雅士D.C.

執筆者塩川 雅士D.C.

1980年、東京都生まれ。17才で渡米後、2004年パーマーカイロプラクティック大学を優等で卒業。D.C.の称号取得。米国ナショナルボード合格。日本カイロプラクティックリサーチ協会(JCRA)役員。2005年からカイロプラクターを育成する学校の運営と講師に携わり、現在、年間約300時間の講義やセミナーなどの活動を全国で精力的に行っている。

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