ゴルフクラブはおろか、普通にグーを握ることもできないほど左肘に痛み
ゴルフが趣味で最低でも週1回ラウンドに出る。10年前から左肘に痛みがあった。その痛みが徐々に強くなり、一番酷かったときにはゴルフクラブはおろか、普通にグーを握ることもできないほど左肘に痛みがあった。
時間の経過とともに肘の痛みは弱くなっていったが、普段の生活の中で押す動作は問題ないが、引く動作の時には痛みが出ていた。痛みが出た時にはロキソニンを飲んでいた。
また、15年前にぎっくり腰をやって以降、夜寝るときに頻繁に足がつるようになってしまった。それからか分からないが足のつま先が異常に冷えていることに気づいた。サウナに入っても足首から下が冷たく、なかなか温まらない。特にゴルフをやった次の日は腰が重だるくなった。年齢のせいもあるのかと特に気にしていなかったが、奥様が当院に来院されて長年悩まされた脚の痺れが解消されたと聞き、自分の問題も解消されるのではないかとの思いで来院される。
腰部起立筋の過緊張
右仙腸関節の可動域制限
上部胸椎の可動域制限
初診時の状態では、腰部起立筋の過緊張と右仙腸関節の可動域制限が確認された。また上部胸椎にも可動域の制限が確認された。温度検査では骨盤部に明らかな温度の誤差が確認された。
15年前にぎっくり腰をやって以来、腰の痛みはそれほど感じないとのことだったが、レントゲン評価では椎間板の段階はとても慢性的なD5→D6に移行している段階と評価した。また、重度の骨盤の傾きも見られたため、初期集中期の段階では週3回のケアを提示したが、仕事の関係上週1回のケアから開始した。
3週後(3回目のアジャスト)には、階段の昇り降りが明らかに楽になった。5週後(5回目のアジャスト)には、平坦な歩行時でも体全体が軽く感じられた。ゴルフをやっても最終2ホールくらいまでは肘の痛みが気にならなくなってきた。7週後(7回目のアジャスト)には、長年あった肩甲骨の間のコリ感がなくなり、腰の違和感もゴルフを1ラウンド終えた後でも気にならなくなった。
治療を受けだしてからは足がつることもなくなり、夜起きることもなくなった。現在は3週間に1度のペースに間隔を広げてカイロプラクティック・ケアを続けている。
今回の腰の違和感の原因は骨盤の傾きや可動域制限によって腰の配列が乱れ、神経の圧迫によるものと考えられる。レントゲン評価では椎間板の段階はかなり慢性的なD5→D6に移行している段階と評価した。
また上部胸椎にも可動域制限が見られた。結果として、肩甲骨、肩関節、肘と外側への負担が大きく出ていた。温度の誤差でも骨盤部と上部胸椎に明らかな反応があった。アジャストメントによりサブラクセーションが取り除かれ、体の情報が脳へ届いたため腰の違和感や肘の痛みの改善に繋がったと考えられる。
15年以上、続いた腰の違和感や10年以上続く肘の痛みに解消の兆しが見えているので体の情報を脳へ届ける事の重要性が確認できる症例である。
執筆者前田 一真
神奈川県藤沢市出身。2007年から2016年の間、某大手運送会社で統括運行管理者として勤務。その中で遭遇した数多くの事故を通じて、命の尊さや体調管理の重要性と向き合う。歩けないほどの腰痛に見舞われるが、カイロプラクティックを受け改善。カイロプラクティックを学ぶことを決意しシオカワスクール入学にする。現在は塩川カイロプラクティック治療室で副院長として施術を担当し、地元である神奈川県藤沢市での施術も行っている。また48年続くシオカワスクールでは講師/インストラクターを担当し、後任の育成にも力を入れて活動している。