
不眠症
寝付きが悪く、4時間以上続けて眠ることができなかった。
20代男性
- 来院に至った経緯
-
小さい頃から寝付きが悪く、睡眠中に1回はトイレに行くために起きる状況だった。
社会人になってから、ストレスのかかる仕事ということもあり睡眠を4時間以上続けて取ることができなくなってしまった。
起きた時は寝汗がひどく、睡眠の質が悪いからか日中もぼーっとしてしまっており、仕事のパフォーマンスも落ちてしまっていた。
また低気圧による偏頭痛もひどく、不眠と頭痛で日中の活動が困難になってしまっていたところ、家族からの紹介を受け来院した。
- 初診の状態
-
- 01
右仙腸関節の明らかな可動域制限
- 02
右後頭骨周辺の浮腫感
- 03
腰椎カーブ過前弯(反り腰)
- 経過と内容
-
問診によると、仕事やプライベートでの外的要因によるストレスがかなり強く、それがきっかけで急激に睡眠の質の低下などが起こっていた。日中はもちろん夜もPCから目が離せないため、24時間緊張状態が続いている状況だった。
それもあってか検査では背中から首かけての筋肉に緊張が見られ、特に上部頸椎に過緊張が見られた。
今回のケースでは不眠などの影響で日常生活にまで支障をきたしている点などを踏まえ、初期集中期では週に1~2回のケアから始めることにした。
症状がかなり慢性化していて、なおかつ外的ストレスも続いている状況のため変化が実感しにくい状況であったが、6回目の来院時からは頭痛を感じることが少なくなってきて、7回目の来院時に初めてぐっすり眠ることができた。
9回目の来院時には睡眠の質の向上に加え、寝汗をかかないで寝ることができるようになった。
その後も仕事の状況によって睡眠の質が変化したりなどはあるものの、全体的に頭痛・睡眠・寝汗共にかなり症状が緩和されてきたため来院間隔を少しずつあけられるようになり、現在は症状は初診時よりだいぶ落ち着いているものの、メンテナンスのため月に2回のペースでケアを受けている。
- 考察
-
今回のケースでは骨盤部と後頭骨に問題が確認されたが、これらは副交感神経によって支配されている。副交感神経に支配されている領域にサブラクセーションが起こったことで神経伝達が正常でなくなり、交感神経が過剰になっていたと考えられる。
交感神経が過剰になると睡眠中も身体が活発で休まらないため、不眠や寝汗などを引き起こしやすい。
副交感神経支配領域のアジャストメントを行ったことにより、自律神経の切り替えがうまくいくようになり、少しずつではあったが不眠や寝汗に変化につながったと考えられる。
また、日常生活ではスマホやPCを見る時間を制限しストレスの緩和を計ったことで、以前より余裕を持って生活できるようになっていたことも症状の改善に影響したと考えられる。
