不調が教えてくれる大切なこと/立ち止まる勇気と回復のタイミング
不調は、必ずしも“悪い出来事”ではない
体に不調が出ると、私たちはつい、こう考えてしまいます。
「悪くなってしまった」
「失敗した気がする」
「何か間違えたのではないか」
不安になるのは、とても自然なことです。でも、インサイドアウト健康文化では、ここでひとつ大切な視点を持ちます。
不調は、必ずしも“悪い出来事”ではないという考え方です。
不調は、体からの「ブレーキ」
車を運転していて、スピードを出しすぎたときにブレーキがかかるのは、危険を避けるためです。
体の不調も、それとよく似ています。
・疲れがたまっている
・無理が続いている
・回復が追いついていない
そんな時、体はあなたを守るためにブレーキとして不調を出すことがあります。
それは、壊れたからではありません。守ろうとしているからです。
インサイドアウト健康文化が大切にする視点
インサイドアウト健康文化では、不調をこう捉えます。
「今の生き方やペースを、少し見直してほしいという合図」
無理をやめるタイミング。立ち止まる必要があるタイミング。体は、言葉の代わりに不調という形で教えてくれています。
臨床で感じていること
日々の臨床で、こんな場面を多く見ています。
「不調をきっかけに、初めて自分の体と向き合えるようになった」
「一度立ち止まったことで、結果的に回復が安定していった」
不調は、回復の“邪魔”ではなく、回復の“入口”になることも多いのです。
早く戻ろうとしすぎると、回復は遅れる
不調が出ると、「早く元に戻さなきゃ」「いつも通りにしなきゃ」と思ってしまいます。
でも、インサイドアウト健康文化では、回復には“タイミング”があると考えます。
体が「今は休みたい」と言っている時に、無理に動かそうとすると、回復の流れは止まりやすくなります。
回復が進み始める人の共通点
不調から回復していく人には、ある共通点があります。
それは、
「立ち止まることを、悪いことだと思わなくなった」という点です。
・今日は休もう
・今はここまでにしよう
・体がそう言っているから
そんな選択を、自分に許せるようになると、体は安心して動き始めます。
アジャストメントの役割も、ここにあります
アジャストメントは、不調を無理に消すためのものではありません。
それは、体が回復に向かいやすい環境を整えることです。体が安心できる状態になることで、回復のタイミングが訪れやすくなります。
不調を「敵」にしないという選択
インサイドアウト健康文化が目指しているのは、不調を我慢することでも、排除することでもありません。
不調と対話することです。
「何を伝えようとしているのだろう?」
「どんなペースが必要なのだろう?」
そう問いかけることで、体との関係性は、少しずつ変わっていきます。
最後に
不調があって不安を感じているなら、それはあなたが弱いからではありません。
体が、あなたを守ろうとしている証拠かもしれません。
立ち止まること。休むこと。ペースを落とすこと。それらはすべて、回復に向かうためのとても大切な選択です。
インサイドアウト健康文化は、その選択を、そっと後押しする健康観です。
さらに深く知りたい方へ
この記事でお伝えしたインサイドアウト健康文化の考え方は、塩川カイロプラクティックだけの特別なものではなく、日々の暮らしの中で、誰もが育てていける健康観です。
より深く、「体の内側と向き合うこと」「からだの声に耳を傾ける日々」について綴った連載を、NOTEでも公開しています。
日常の中でインサイドアウト健康文化を実践するためのヒントとして、ぜひご覧ください。
▶︎ インサイドアウト健康文化 ― からだの内側に還る日々
https://note.com/masashi_1212/m/m853ab17e7caa

執筆者塩川 雅士D.C.
1980年、東京都生まれ。17才で渡米後、2004年パーマーカイロプラクティック大学を優等で卒業。D.C.の称号取得。米国ナショナルボード合格。日本カイロプラクティックリサーチ協会(JCRA)役員。2005年からカイロプラクターを育成する学校の運営と講師に携わり、現在、年間約300時間の講義やセミナーなどの活動を全国で精力的に行っている。



