「治してもらう」から「共に整える」へ /健康の主役が、自分に戻ってくる瞬間
健康の主役は、最初からあなた自身の体である
体に不調があると私たちは自然とこう思います。
「早く治してほしい」
「ちゃんと見てもらおう」
「良くしてもらおう」
これは、とても自然な感情です。不安な時ほど、誰かに委ねたくなるものです。
ただ、インサイドアウト健康文化では、ここで一つ大切な視点を持ちます。
健康の主役は、最初からあなた自身の体であるという考え方です。
任せきりになると、不安は消えにくい
第2回でもお伝えしましたが、康をすべて誰かに任せていると、一時的に安心できても、不安は残りやすくなります。
なぜなら、
・自分の体の状態が分からない
・良いのか悪いのか判断できない
・次に何が起こるか分からない
という感覚が、心の奥に残るからです。
不安の正体は、体そのものではなく、「自分が関われていない感覚」であることも多いのです。
インサイドアウト健康文化が目指す関係性
インサイドアウト健康文化では、健康をこう捉えます。
「治療家が主役になるのではなく、体と本人が主役になる関係性」
私たちは、すべてを決める存在ではありません。体が本来持っている力が発揮されやすい環境を整え、そのプロセスに寄り添う存在です。
日々の臨床で
日々の臨床で、ある瞬間をとても大切にしています。それは、患者様がこう言う瞬間です。
「最近、自分の体が分かるようになってきました」
「無理すると、すぐ気づけるようになりました」
この瞬間、健康の主役が治療家から、患者様自身に戻っています。
「共に整える」という考え方
インサイドアウト健康文化では、通院をこう捉えています。
「治してもらう場所」ではなく、「体と一緒に整っていく場所」。
アジャストメントは、そのためのきっかけであり、対話の入り口です。
その先で起こる変化は、あなたの体と、あなた自身がつくっていくものです。
主体性が戻ると、体は安心する
不思議なことに、
・自分の体を信じられる
・体の声を尊重できる
・無理をしない選択ができる
ようになると、体は少しずつ“守るモード”から“動くモード”へ切り替わっていきます。
これは、体が安心したサインです。
健康は「管理」ではなく「関係性」
インサイドアウト健康文化が目指すのは、健康を管理することではありません。
体との関係性を信頼に変えていくことです。支配しない、急がせない、責めない。
その関係性の中で、体は本来の働きを取り戻していきます。
最後に
「前より体を信じられるようになってきた」
「無理をしない選択ができるようになった」
そう感じているなら、それは確実に健康の主役が、あなた自身に戻ってきている証拠です。
インサイドアウト健康文化は、「何かをしてもらう文化」ではありません。自分の体と共に生きていく文化です。
さらに深く知りたい方へ
この記事でお伝えしたインサイドアウト健康文化の考え方は、塩川カイロプラクティックだけの特別なものではなく、日々の暮らしの中で、誰もが育てていける健康観です。
より深く、「体の内側と向き合うこと」「からだの声に耳を傾ける日々」について綴った連載を、NOTEでも公開しています。
日常の中でインサイドアウト健康文化を実践するためのヒントとして、ぜひご覧ください。
▶︎ インサイドアウト健康文化 ― からだの内側に還る日々
https://note.com/masashi_1212/m/m853ab17e7caa

執筆者塩川 雅士D.C.
1980年、東京都生まれ。17才で渡米後、2004年パーマーカイロプラクティック大学を優等で卒業。D.C.の称号取得。米国ナショナルボード合格。日本カイロプラクティックリサーチ協会(JCRA)役員。2005年からカイロプラクターを育成する学校の運営と講師に携わり、現在、年間約300時間の講義やセミナーなどの活動を全国で精力的に行っている。



