昨日より楽なのに不安になるあなたへ /体の変化の“波”への理解
体に“波”があることが正常
「昨日は調子が良かったのに、今日は少し重い」
「前より良くなっているはずなのに、波がある」
「この揺れは大丈夫なのかな…?」
体と向き合い始めた方ほど、こうした疑問や不安を感じることがあります。
でも、インサイドアウト健康文化では、ここでとても大切な視点を持ちます。
体に“波”があることは、異常ではありません。
変化がある=後退、ではありません
多くの方は、「良くなる=一直線に上向く」とイメージしています。
でも実際の回復は、階段のように上がったり、少し戻ったりを繰り返しながら進むことがほとんどです。
調子が良い日があれば、少し揺れる日もある。
それは、体が環境や生活に合わせて調整を続けている証拠です。
インサイドアウト健康文化が見る「揺れ」の意味
インサイドアウト健康文化では、体の揺れをこう捉えます。
「体が、今の状態を確かめているプロセス」
・これくらい動いて大丈夫かな
・このペースはどうかな
・もう少し休んだ方がいいかな
体は、試しながら、学びながら、バランスを探しています。
患者様に伝えていること
体の変化について、患者様にこうお伝えしています。
「今日はどうでしたか、ではなく“最近のパターンや身体の波はどうですか?を大切にしてください。」
一日単位で見ると不安になりますが一週間、二週間と少し長い目で見ると、回復の流れが見えてくることが多いのです。
揺れを“悪いもの”にしないコツ
体の揺れに対して、少し気持ちが楽になるポイントをお伝えします。
① 一日で判断しない
「今日はダメだった」と結論を急がないこと。
② 体の声を責めない
揺れは、体がサボっているわけではありません。
③ 流れを見る
「先週よりどうかな?」という視点を持ってみてください。
アジャストメントの役割は、ここでも同じ
アジャストメントは、揺れを無くすためのものではありません。
それは、揺れながらも戻ってこられる“土台”を整えることです。
土台が安定すると、多少の波があっても、体は安心して調整を続けられます。
揺れを受け入れられると、体は楽になる
不思議なことに、「揺れてもいい」、「戻ってこられれば大丈夫」
そう思えるようになると、体の緊張は少しずつ抜けていきます。
インサイドアウト健康文化では、完璧を目指さないことも、大切な健康の条件です。
最後に
「調子に波があることが不安」
「このままでいいのかな」
そう感じているなら、思い出してください。
揺れがあるからこそ、体は調整を学んでいます。
インサイドアウト健康文化は、揺れを消す文化ではありません。揺れと共に、安心して生きていく文化です。
さらに深く知りたい方へ
この記事でお伝えしたインサイドアウト健康文化の考え方は、塩川カイロプラクティックだけの特別なものではなく、日々の暮らしの中で、誰もが育てていける健康観です。
より深く、「体の内側と向き合うこと」「からだの声に耳を傾ける日々」について綴った連載を、NOTEでも公開しています。
日常の中でインサイドアウト健康文化を実践するためのヒントとして、ぜひご覧ください。
▶︎ インサイドアウト健康文化 ― からだの内側に還る日々
https://note.com/masashi_1212/m/m853ab17e7caa

執筆者塩川 雅士D.C.
1980年、東京都生まれ。17才で渡米後、2004年パーマーカイロプラクティック大学を優等で卒業。D.C.の称号取得。米国ナショナルボード合格。日本カイロプラクティックリサーチ協会(JCRA)役員。2005年からカイロプラクターを育成する学校の運営と講師に携わり、現在、年間約300時間の講義やセミナーなどの活動を全国で精力的に行っている。



