塩川カイロプラクティック塩川カイロプラクティック

2025.12.15

アジャストメントは「治す魔法」ではありません/体が本当に動き出す“きっかけ”の話

アジャストメントは「治す魔法」ではありません/体が本当に動き出す“きっかけ”の話

体が動き出す“きっかけ”の話

「アジャストメントを受けたら、治りますか?」
「何回くらいで良くなりますか?」

これは、とても多くの患者様からいただく質問です。

その背景には、「何かをしてもらえば、体は良くなるはず」という、これまでの健康観があります。

もちろん、体が楽になることを期待して来院されるのは、とても自然なことです。

ただ、インサイドアウト健康文化では、アジャストメントを少し違った視点で捉えています。

アジャストメントは「治すため」ではありません

塩川カイロプラクティックで行うカイロプラクティック・アジャストメントは、体を無理に治すためのものではありません。

それは、体が本来持っている力が働きやすくなる環境を整えることを目的としています。

たとえるなら、固くなった扉を無理に押し開けるのではなく、蝶番(ちょうつがい)を整えるようなものです。

扉を動かす力そのものは、もともと、扉に備わっています。

体は、ずっと「整おう」としています

私たちの体は、何か問題が起きたからといって、止まってしまうわけではありません。

むしろ、

「これ以上無理が出ないようにしよう」
「今の状態で、何とかバランスを取ろう」

と、常に働き続けています。

痛みや違和感は、体がサボっているサインではなく、必死に調整している結果として現れることも多いのです。

臨床で感じていること

日々の臨床の中で、こんな場面を何度も目にしています。

アジャストメントを重ねるうちに、

・自分の体の変化に気づけるようになる
・無理をしたとき、早めに分かる
・回復のペースを信じられるようになる

こうした変化が起きてくる方ほど、結果として安定していきます。

それは、アジャストメントが「治した」からではなく、体が動き出したからです。

なぜ「回数」だけでは語れないのか?

「何回で良くなりますか?」

という質問に、はっきり答えづらい理由も、ここにあります。

体の回復には、

・これまでの生活
・無理の積み重ね
・休めているかどうか
・体の感じ方

といった、一人ひとり異なる背景が関わっています。

アジャストメントは、その流れにスイッチを入れる役割であり、結果を決めるのは、あなたの体そのものです。

アジャストメントを受ける上で大切なこと

インサイドアウト健康文化では、アジャストメントを受ける際に、こんな視点を大切にしています。

・今、体は何を感じているか
・施術後、どんな変化があるか
・無理をしていないか

「どう変わったか」を正解・不正解で判断する必要はありません。気づくこと自体が、体との対話です。

アジャストメントは「スタート地点」

アジャストメントは、ゴールではありません。

それは、体と向き合う旅のスタート地点です。

体が整い始めると、日常の中での選択も、少しずつ変わっていきます。

・今日は早めに休もう
・今日はここまでにしておこう

こうした小さな選択の積み重ねが、回復力を育てていきます。

最後に

もしこれまで、「アジャストメントを受けていれば大丈夫」と思っていたとしたら、それは決して間違いではありません。


ただ、これからは少しだけ、「体は、どう動こうとしているだろう?」という視点を、加えてみてください。

アジャストメントは、あなたの体の力を引き出す“きっかけ”にすぎません。

主役は、いつもあなた自身の体です。

さらに深く知りたい方へ

この記事でお伝えしたインサイドアウト健康文化の考え方は、塩川カイロプラクティックだけの特別なものではなく、日々の暮らしの中で、誰もが育てていける健康観です。

より深く、「体の内側と向き合うこと」「からだの声に耳を傾ける日々」について綴った連載を、NOTEでも公開しています。

日常の中でインサイドアウト健康文化を実践するためのヒントとして、ぜひご覧ください。

▶︎ インサイドアウト健康文化 ― からだの内側に還る日々
https://note.com/masashi_1212/m/m853ab17e7caa

塩川 雅士D.C.

執筆者塩川 雅士D.C.

1980年、東京都生まれ。17才で渡米後、2004年パーマーカイロプラクティック大学を優等で卒業。D.C.の称号取得。米国ナショナルボード合格。日本カイロプラクティックリサーチ協会(JCRA)役員。2005年からカイロプラクターを育成する学校の運営と講師に携わり、現在、年間約300時間の講義やセミナーなどの活動を全国で精力的に行っている。

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