塩川カイロプラクティック塩川カイロプラクティック

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎

毎晩2~3回は目が覚めてしまい、朝を迎えてもまったく寝た気がしなかった

40代女性
来院に至った経緯

2021年3月くらいからアトピー性皮膚炎が急激に酷くなって全身に広がった。子供の頃は少し肌荒れがあるなという程度で関節の内側などに出やすかったが、今回の肌荒れはいつもとは違った。

特に環境が変化したこともなく、食べるものも同じで原因が分からなかった。同時期から便秘になり、酷い時は1週間出なくなることもあったが、出る時は下痢だったりした。また、普段は春になると花粉症になるが、それが出ない代わりに肌に出てしまった。

この頃から睡眠の質も悪くなった 寝入りに時間が掛かるようになり、布団に入ってから2時間以上眠れないこともあった。入眠してから2~3時間すると必ず起きてしまい、そのときには肌に痒みを強く感じた。毎晩2~3回は目が覚めてしまい、朝を迎えてもまったく寝た気がしなかった。

眠れていない影響なのか、日中は呼吸が浅い感じがした。胸郭が圧迫されている感覚があり、吸い込むのも吐き出すのも辛く感じた。アトピーは元々あったのと、子供の頃から末端が冷えていたこと、仕事が同じ姿勢での作業が続き腰痛も感じていたので、昔から月に1回の針治療は受けていた。

今回、肌荒れが酷くなってからは週1回の針治療を受けていたが、まったく変化がなかった。10年前以上前に一度皮膚科に行ったときはステロイドを処方され、余計に酷くなった経験があり、どうしても薬は使いたくなかった。自然に治したいという想いで何かないかと探していたところ、塩川カイロプラクティック治療室のホームページに行きつき来院された。

初診の状態
  • 01

    左仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    腰部から背部にかけて起立筋の過緊張

  • 03

    上部頸椎の硬直と後頭部の過緊張

経過と内容

初診時の状態では、左仙腸関節の明らかな可動域制限が確認された。体の土台である骨盤の不安定から腰部に負荷がかかる状態が続いていた。その不安定を保護する為に全身の筋肉を緊張させて体を保護している状態が慢性化されたことで、腰から後頭部まで筋の硬直が見られた。

レントゲン評価では椎間板の段階はD2→D3レベルに移行しているところで慢性的だった。 急激な肌荒れはホルモンバランス異常も考えられたため、通常の初期集中期の段階である1カ月半を週1回ではなく、最初の3か月間を週1回のケアから開始した。

ケアを始めて3週後(3回目のアジャスト)には、肘や膝など関節の内側の痒みが増したように感じるようになった。 この頃から腰回りの緊張はゆるみ、腰痛が楽になってきた。6週後(6回目のアジャスト)には、痒みはなくなったものの、肌荒れが強く出て患部がグジュグジュとするようになった。 腰痛はまったく感じなくなり、手足など末端冷え性があったがポカポカ感じるようになった。

8週後(8回目のアジャスト)には、グジュグジュと荒れていた患部の肌荒れが落ち着いてきた。それだけではなく全身に広がっていたアトピー性皮膚炎も徐々に落ち着いてきた。そして、便通も徐々に改善が見られるようになった。

10週後(10回目のアジャスト)には、日を追うごとに肌荒れが落ち着いてきて、正常な肌の部分が見えるようになってきた。少しニキビのようなものが出来ても、その後急速に肌がターンオーバーされていくように肌色の部分がどんどん増えてきた。また睡眠の質にも改善が見られ、寝入りも良くなり夜中に起きる事もなくなった。

12週後(12回目のアジャスト)には、グジュグジュと膿んでしまうほどの肌荒れを繰り返していた肘や膝などの関節の内側の肌荒れも落ち着いて、黒く変色してしまっていた肌も徐々に正常な状態に変わっていった。

肌荒れの名残りはあるものの、日を追うごとに変化が出るようになり、どんどん改善されてきている。肌荒れ以外でも健康の重要性を認識でき、健康な身体をさらに健康にしたいという想いから、現在も2週間に1度のカイロプラクティック・ケアを続けている。


考察

今回の全身に広がってしまうほどのアトピー性皮膚炎は自律神経のバランスが乱れからホルモンバランス異常をきたしていたものと考えられる。人間の土台の部分である骨盤部の歪みから体全体に負担がかかっている状態が続いていたため、腰部、背部、頸部と全身に負担が掛かっていた。

また、骨盤部や上部頚椎の神経は副交感神経によって支配されており、副交感神経の流れの妨害(サブラクセーション)は、交感神経を過剰にさせる原因となる。 交感神経が過剰に働くと体は緊張状態が続き、それも全身の硬直に繋がっていた。副交感神経の流れが阻害(サブラクセーション)され、睡眠時にも交感神経が過剰に働いている状態は、寝入りも悪くするだけでなく、入眠時に中途覚醒してしまう原因にもなっていた。

自律神経のバランスが乱れると、腸の蠕動(ぜんどう)運動にも影響が出て便通も悪くなってしまう。便通が悪くなれば体の中に毒素が溜まる形となり、それも肌荒れに拍車をかけていた可能性がある。自律神経の乱れは、血管の拡張/収縮の機能に影響を与える。体全体の血液循環が悪くなってしまい、末端に血液が循環されずに末端冷え性となっていた。

アジャストメントにより神経の圧迫(サブラクセーション)が取り除かれ、体の情報が脳へ届いたことで、しっかりと自然治癒力が働く状態になり、症状の改善に繋がったと考えられる。

前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。2007年から2016年の間、某大手運送会社で統括運行管理者として勤務。その中で遭遇した数多くの事故を通じて、命の尊さや体調管理の重要性と向き合う。歩けないほどの腰痛に見舞われるが、カイロプラクティックを受け改善。カイロプラクティックを学ぶことを決意しシオカワスクール入学にする。現在は塩川カイロプラクティック治療室で副院長として施術を担当し、地元である神奈川県藤沢市での施術も行っている。また48年続くシオカワスクールでは講師/インストラクターを担当し、後任の育成にも力を入れて活動している。

症例一覧へ戻る
pagetop