歯医者で治療を受けた日の夜から頭痛が止まらなくなった
1カ月くらい前に歯医者に行ってから頭痛が止まらなくなった。元々、頭痛持ちだったがここ最近は気にならなくなっていた。それが歯医者で治療を受けた日の夜から頭痛が止まらなくなり、睡眠の質も悪くなった。夜22時過ぎに寝ても、夜中2時頃に目を覚ましてしまうように。
睡眠の質が悪くなると、今度は腰痛や膝痛が出てきた。近所の整体院に通ってみたが治療を受けたその日は頭痛が軽減するものの、翌朝には元に戻ってしまう。
元々、生理痛も酷くて30年くらい前から痛み止めの薬を飲んでいた。常用はしたくなかったので「あっ、痛みが強く出そうだな。」というときだけ薬を飲むようにしていた。PMS(月経前症候群)もあり、疲れやすかったり、ちょっとしたことでイライラしてしまっていた。
頭痛もまったく改善されない日々から気分も落ち込み悪循環が続いていたが、これ以上薬は飲みたくなかったのでどうしたらいいかと悩んでいるときに、10数年前に別の場所でカイロプラクティックを受けて体が軽くなったことを思い出し塩川カイロプラクティック治療室に来院された。
上部頸椎の過緊張
左仙腸関節の明らかな可動域制限
腰部起立筋の緊張
初診時の状態では、左骨盤の明らかな可動域制限が見られた。症状は慢性的な頭痛が歯医者での治療をきっかけに再発。それに伴って睡眠の質が低下し、腰痛・膝痛と悪循環に陥っていた。
腰部の起立筋と後頭部の辺りは過緊張の状態だった。体表温度検査では骨盤と首の付け根が顕著に見られた。レントゲン評価では椎間板の段階はそれほど慢性的な箇所は確認されなかったが、骨盤の傾きが見られたため初期集中期では週1回のケアから開始した。
ケアを始めて2週後(2回目のアジャスト)には、頭痛の頻度が明らかに減り、毎日出ていた頭痛が3日に1回くらいになった。3週後(3回目のアジャスト)には、頭痛はまったく出なくなり、左膝に出ていた鋭く刺すような痛みもまったく気にならなくなった。
6週後(5回目のアジャスト)のには、後頭部の辺りにあった過緊張にも改善が見られ、睡眠の質が向上した。この頃には腰痛も気にならなくなった。8週後(6回目のアジャスト)には、山登りをしても腰痛や膝痛はまったく問題なかった。山登りが終わったあとは全身に疲労感があったものの、一晩寝ればすっきりできるようになった。
睡眠の質が良くなったのをきっかけに体のパフォーマンスも向上し、運動を取り入れる気力も戻って来た。現在は、症状は改善していて、健康維持のため3週に1度のペースに間隔を広げてカイロプラクティック・ケアを続けている。
今回の頭痛の問題は骨盤の傾きから首の過緊張へと繋がり負担がかかったケースが考えられる。 膝の痛みも重度の骨盤の傾きや骨盤の可動域制限により、膝関節に必要以上の負荷がかかったものと考えられる。
建物で考えると分かりやすいが、基礎(骨盤)の部分がグラつけば上階(首など)のグラつきは大きくなる。レントゲン評価では椎間板の段階はそれほど慢性的な箇所は見られなかったが、サブラクセーションによって体の情報が脳へ届いていなかったため治癒する力が働きにくくなっていた。
アジャストメントによりサブラクセーションが取り除かれ、体の情報が脳へ届いたことで頭痛や膝の痛み、睡眠の質の改善に繋がったと考えられる。PMSの症状にも改善の兆しが見えているので、体の情報を脳へ届ける事の重要さが分かる症例である。
執筆者前田 一真
神奈川県藤沢市出身。2007年から2016年の間、某大手運送会社で統括運行管理者として勤務。その中で遭遇した数多くの事故を通じて、命の尊さや体調管理の重要性と向き合う。歩けないほどの腰痛に見舞われるが、カイロプラクティックを受け改善。カイロプラクティックを学ぶことを決意しシオカワスクール入学にする。現在は塩川カイロプラクティック治療室で副院長として施術を担当し、地元である神奈川県藤沢市での施術も行っている。また48年続くシオカワスクールでは講師/インストラクターを担当し、後任の育成にも力を入れて活動している。