塩川カイロプラクティック塩川カイロプラクティック

腰痛(ぎっくり腰)

腰痛(ぎっくり腰)

歩けないほどのぎっくり腰

60代男性
来院に至った経緯

30年くらい前に初めてぎっくり腰になり、そのときは脚まで痺れが出た。その後、何度かぎっくり腰を経験したが動けなくなるほどではなかった。しかし、3年前に歩けないほどのぎっくり腰になり、トイレに自力で行く事すらできなくなってしまった。

痛み止めやロキソニンテープを貼っても症状は改善されずに1週間寝込んでしまった。その後、なんとか日常生活は送れるようになったが、慢性的な腰痛や夜寝ている時にふくらはぎがつって起きてしまうということが度々続いていて、睡眠の質も悪くなっていた。

元々、睡眠の質が悪く寝入りまで1時間以上かかることが多かった。また顎関節にも違和感を感じており、右顎がガクッとなることがあった。特に固い物を食べると違和感を強く感じることがあった。ここ最近は普通に歩いている分には腰が痛くなることはなかったが、疲れているときや、長時間歩いたりするとなぜか太ももの前が突っ張る感じがするようになった。

いつかまた動けなくなるようなぎっくり腰になってしまうのではないかという不安があったがどこに行ったらいいのかも分からず悩んでいたところ、知人の紹介で当院に来院された。

初診の状態
  • 01

    左仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    腰部起立筋の緊張

  • 03

    上部頸椎の過緊張

経過と内容

初診時の状態では、左骨盤の明らかな可動域制限が見られた。症状は何度も繰り返してしまうぎっくり腰への不安や睡眠の質の問題、顎の違和感などがあった。骨盤の可動域制限から腰に必要以上の負荷がかかり、腰部の起立筋が過緊張の状態。また上部頸椎にも過緊張が見られ頭部の傾きも強く見られた。体表温度検査では骨盤と首の上部が顕著に見られた。

レントゲン評価では椎間板の段階は慢性的なD4レベルが確認された。重度の骨盤の傾きも見られたため初期集中期では週2回のケアから開始した。

ケアを始めて1週後(2回目のアジャスト)には、手に血液が流れてくる感じがあった。2週後(3回目のアジャスト)には、明らかに以前よりも歩きやすさを感じるようになった。3週後(5回目のアジャスト)には、足にも血液が流れるような感じがあり、全身がポカポカするような感覚があった。この頃には腰の不安もまったく感じなくなり、歩いているときの太もも前の違和感もまったく感じなくなった。

4週後(6回目のアジャス)には、夜ふくらはぎがつって起きるようなこともまったくなくなり、睡眠の質も向上した。また固い物を食べると顎に違和感が出ていたがそれも解消しつつあった。

現在は徐々に安定してきていて、治療の間隔を2週間に1度のペースに広げてカイロプラクティック・ケアを続けている。


考察

今回の腰や太ももやふくらはぎの問題は、体の土台である骨盤の傾きから腰部の椎間板に負担がかかり腰の神経に大きな負荷がかかっていたものと考えられる。骨盤は建物で言えば基礎の部分にあたり、土台がゆらぐことで腰だけではなく、首にまで影響してしまっていた。特に上部頚椎は睡眠や顎関節とも密接な関係がある。

特に骨盤部や上部頚椎の範囲は、副交感神経によって支配されております。副交感神経の支配している場所の神経の流れの妨害(サブラクセーション)は、交感神経を過剰にさせる原因となります。その交感神経が過剰な状態が続いたことで、不眠症の問題に繋がっていたと考えられます。

アジャストメントによりサブラクセーションが取り除かれ、体の情報が脳へ届いたことで自律神経のバランスが整い、腰や太ももやふくらはぎの違和感や睡眠の質や顎関節の違和感の改善に繋がったと考えられる。睡眠の質や顎関節、太ももやふくらはぎの違和感であったとしても、土台である骨盤から安定させていき、体の情報を脳へ届けることがいかに重要かが分かる症例である。

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。2007年から2016年の間、某大手運送会社で統括運行管理者として勤務。その中で遭遇した数多くの事故を通じて、命の尊さや体調管理の重要性と向き合う。歩けないほどの腰痛に見舞われるが、カイロプラクティックを受け改善。カイロプラクティックを学ぶことを決意しシオカワスクール入学にする。現在は塩川カイロプラクティック治療室で副院長として施術を担当し、地元である神奈川県藤沢市での施術も行っている。また48年続くシオカワスクールでは講師/インストラクターを担当し、後任の育成にも力を入れて活動している。

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