すい臓は、最も頼れる身体の監視人
人間は生命を維持のために食べ物を摂取し続けなければなりません。 その食べ物が体にとって適切なものかを判断している重要な監視人がすい臓になります。
一般的にすい臓の働きは、消化を助け、血糖をコントロールするという認識がありますが、それだけではありません。
日々変化する身体の状態を把握して、総合的に監視しています。
身体にとって、適切ではない食べ物や必要以上に摂取し続けたときに様々なシグナル(注意信号)を発し、私たちに気づきを与えてくれています。
すなわち、すい臓とは「警報機」のような存在と言えます。 今回のコラムでは、身体の健康に必要不可欠なすい臓について解説していきます。
すい臓の構造と働き
すい臓は胃の裏側に位置しています。 十二指腸に抱え込まれるようにすい臓の頭がすっぽりとはまり込んでいて、十二指腸と脾臓に挟まれて、形状はオタマジャクシのような形をしています。
すい臓は横に長い臓器で、成人で横の長さが15㎝、縦の長さが3~5㎝、厚さが2㎝ほどとなります。重さは約70~100gとそれほど大きな臓器ではありませんが、すい液の分泌などの重要な役割があります。
胃で消化された食べ物は、消化器官の十二指腸へ送られます。 その時にホルモン分泌が促され、すい液が十二指腸に流れ込みます。
すい液は、栄養の分解と胃液で溶かされ酸性になった食べ物などを中性にするため弱アルカリ性の液体を分泌する働きがあります。
成人で一日につくられるすい液の量は約700~1500mℓで牛乳パック1本ほどの量となります。このすい液は、胃で溶かしきれなかった食物の糖、タンパク質、脂質を分解できる強力な消化酵素を分泌しています。
糖を作り替える働き
すい臓にはランゲルハンス島という特殊な細胞群があります。このランゲルハンス島では体を動かすエネルギー量を調節するホルモンが作られています。
ランゲルハンス島の中にあるα細胞からはグルカゴンというホルモンが分泌され、β細胞からはインスリンというホルモンが分泌されています。
グルカゴンは、血中の糖分を増やす作用があり脂肪をブドウ糖に作り替えたり、肝臓にあるグリコーゲンをブドウ糖に戻しています。
インスリンは、血中の糖分を減らす作用があります。血中のブドウ糖を細胞に取り込ませたり、余分なブドウ糖を肝臓などにグリコーゲンに作り替え貯蓄させます。
糖質はご飯・パン・果物などに含まれていて、体内でブドウ糖に変換され活動する時のエネルギーとして使われます。
血液によって全身へ運ばれ、食べ過ぎてしまったブドウ糖はグリコーゲンとなり肝臓・筋肉などに貯蓄されます。
お腹が空いて時間が経ち血糖値が下がるとグリコーゲンが血液中に放出され、エネルギー源として一定の数値が保たれます。
すい臓からのシグナル
すい臓からのシグナルには、腹部の痛み、衰弱、発汗、震え、手足のしびれ、めまい、甘いものへの欲求、気分の揺れや怒り、集中力の欠如、感情の爆発、過剰なのどの渇き、過剰な食欲、頻尿、体重の減少、疲労感、吐き気、視界がぼやける、動悸、生理不順などが挙げられます。
一般的には、生活習慣の乱れ、運動不足、暴飲暴食、ストレスなどが要因と言われることがありますが、しかし上記に挙げた症状は身体からのシグナルになります。
どれだけ優れた身体であっても、限界域は存在しています。 すい臓はサイレントキラーと言われていますが、実は私たちの身体にシグナルを送り続けてくれている最も頼れる身体の監視人になります。
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