カイロプラクティック・ケアで熱中症の対策ができるなんて信じられないと思っているのではないでしょうか。 汗をかくのが苦手ですぐにのぼせてしまい外に出るのが苦手な人、反対に異常に汗をかいてしまい外に出るのが苦手な人もいます。 この夏の時期の体温調整は非常に重要になります。 今回のコラムでは、カイロプラクティックと体温調整の重要性についてお伝えしていきます。 カイロプラクティック・ケアでこの猛暑の夏を乗り切っていきましょう!

汗をかく汗腺の機能とは?

人は生きていく上で自然と体温調節をしています。 この体温調節において、汗をかくという機能はかかせないものとなります。 汗は皮膚にある汗腺という器官から分泌されます。 汗が出る汗腺はエクリン腺とアポクリン腺の2種類があります。 エクリン腺は全身ほとんどの皮膚表面にあり、その数は200~500万個で、主に体温調節のために汗を出す汗腺となります。 このエクリン腺の数は住んでいる地域によって変わってきます。 日本人は平均すると230万ほどですが、寒い国に住む人達は汗をかく必要がないため数は少なめです。 例えば寒いイメージのあるロシアなどでは190万ほどとなります。 このエクリン腺は独立して皮膚に開口していて、エクリン腺から分泌された汗は無味無臭となります。 アポクリン腺は体の限られた部分にあり、特にワキの下や下腹部などの毛根に開口部があります。 アポクリン腺から出る汗は白く濁っていて、タンパク質や脂質などニオイの元となる成分を多く含んでいます。

汗をかく要因は主に3つあり、温熱性、精神性、味覚性となります。 暑いときや運動した時に体温調節などでかく汗を温熱性発汗といいます。 このときにかく汗はエクリン腺からとなり、手のひらと足の裏を除く、全身から出ます。 緊張したときや驚いたときに出る汗は精神性発汗といい、エクリン腺、アポクリン腺両方から汗をかきますが、主にワキや手のひらなど局所的に出るのが特徴です。 味覚性発汗は辛い物を食べたときに額や鼻などにかく汗でエクリン腺となります。 実は、全身から汗をかくという機能は動物全体の中でもめずらしく、人間特有の機能となります。 例えば、人間に身近なイヌなどは足の裏でしか汗をかけないため、舌を出して唾液を気化させて体温を調節しています。 イヌが散歩などで動き回ったあと、舌を出しているのは、体温を調節しているわけですね! 他の動物でいうと、うさぎは長い耳の中にある血管に風を当てることで血液中の熱を発散させているそうです。 人間だけが汗をかく理由としては、進化の過程が関係しているといわれています。 大昔、人間がまだ狩りをしていたころ、集団で獲物を追い続けていました。 何時間も獲物を追い続けることも多かったでしょう。 そのため、長時間の活動ができるように、効率的に体内の熱を外に逃がすすべとして、汗をかく機能を手にしたといわれています。

人体が耐えれる外気温

マイナス30℃~204℃。 この数字は人体が耐えられる外気温となります。 もちろん、様々な条件が揃っていて適応できる温度ではありますが、こんな温度ちょっと想像できませんよね。 そもそも人間の体温の限界は42℃程度といわれています。 体温が42℃以上になると私たちの体を構成するタンパク質が凝固してしまいます。 しかも脳から固まり始めるというから恐ろしいですね。 でも人間は42℃以上の場所、、、例えばサウナ(90~100℃)に入ったとしても、しばらくはその温度に耐えられますよね。 それは体温調節機能が働くからです。

熱いところでは血管を拡張し、汗をかいて熱を外に出します。 寒いところでは筋肉から熱エネルギーを産生し、血管を収縮して熱が逃げないようにします。 人間は、この機能によって、気温の変化などに適応しているわけですが、その適応できる限界温度がマイナス30℃~204℃までとなります。 しかし、ここ数年の日本の夏は本当に暑いですよね。 うだるような暑さという表現がしっくりきますが、熱中症で救急搬送された人の数は平成29年5月~9月が49583人なのに対し、平成30年5月~9月では92710人と激増しています。 猛暑といわれた平成31年では7月22~7月28日の1週間で救急搬送された人は5664人となっています。 204℃まで耐えられるはずの人間がなぜ熱中症になってしまうのでしょうか。 いくつかある条件の中でも特に重要なのが湿度となります。 砂漠などは比較的乾燥しているので50℃以上の高温でも適応することができます。 (乾燥していて、汗をかいていなくても体内の水分は失われていくので水分補給はしっかりとしましょう!) しかし、日本の夏は梅雨時期から夏が終わるまでずっとジメジメしていて気温だけではなく、湿度も高い日が多いです。 まさに、天然のサウナ状態の中で生活をしているわけです。 そうなると体温調節+こまめな水分補給や塩分補給が必要となります。 実は、この記事を書いた日も、朝の湿度は90%でした。 晴れているのに、湿度90%ってサウナと変わりないですね。

では、逆にマイナス30℃の世界ではどうでしょうか。 こちらも、しっかりと防寒をしているなど条件を満たしていれば生存可能です。 しかし、これが水中だとどうなるでしょうか。 水中の場合、15℃では6時間、4.5℃では1時間、0℃では30分しか生存できません。 人間は寒くなるとシバリングという機能で筋肉を震わせ熱を産生し、冷えた体を温めようとしますが、極度の低温化では、全身が筋硬直を起こして熱エネルギーを産生できなくなってしまい、低体温症になってしまうからです。 さらには直腸温度が26℃を下回ると心臓が停止してしまいます。 人は生きていく上で多少のストレスがなければ生きていけません。 例えば、人間は地球の重力があるからこそ筋力を維持していられます。 身体にとって地球の重力は適度なストレスになっているのですが、度を越した環境の変化は体の限界値を超えてしまいます。 熱中症などで倒れてしまうほどの、近年の日本の夏は身体の限界値をゆうに上回る暑さといえるのかもしれませんね。

体温調節が病気の予防と免疫システムに大きく関連している!

人間は、その場の環境に適応する力を持っています。 日本の猛暑で、しっかりと水分補給や塩分補給をしているのに、その環境に耐えられないのは、神経のサイクルが乱れていることが原因かもしれません。 カイロプラクターは神経と脳の専門家です。 そしてカイロプラクティックは最高の予防医学です。 それだと、体温調節とカイロプラクティックはまったく関係がないと思われるかもしれませんが、そうではありません。

体温の調節機能は間脳の視床下部というところにあります。 視床下部には体温調節中枢があり、体温を調節する司令塔のような役割をしています。 司令塔である脳が神経を通じて全身に指令を出し、血管の拡張収縮を行って体温が調節されています。 つまり体温調節は神経機能がしっかりと働いているからこそ、正しく機能できるのです。 では、これによる予防とはどういったものでしょうか。 血管の拡張収縮機能に異常をきたすということは、血圧の問題や頭痛などの症状に繋がり、果ては脳梗塞や心筋梗塞の危険性も増すこととなってしまいます。 つまり、カイロプラクティックケアを受ける事により、神経のサイクルを整え、血管の拡張収縮が正常に行われれば、外気温などへの適応だけではなく、そういった血管系疾患の予防にもなります。

また、ウィルスや菌などの外敵が体内に侵入してくると、体温を一時的にあげて、侵入者を退治しようとします。 これは、人間が生まれながらに持っている自然治癒力の一部で、自己防衛能力となります。 当然、高熱が出ているときは、体もだるくとても辛いですよね。 しかし、薬に頼ることなく、自己の防衛機能により、その外敵に打ち勝つことができれば、それは免疫という一生モノの財産となります。 体温を上げるためには血管の拡張収縮機能が正常に働く必要があり、そのためには神経機能が正常に働いている必要があります。 また、神経のサイクルが機能していれば、菌やウィルスなどの外敵が侵入した際にも、その情報がいち早く脳まで届くため、早期の改善にも役立ちます。

カイロプラクティックは自然哲学に基づいた療法となります。 自然界の植物は誰に水を与えられるわけでもなく成長し、その場の環境に適応していきます。 自然界の動物は薬を飲むようなことはありません。 私たち、人間も地球という大自然の中で生活をしています。 ですが現代社会では、どんどん自然とはかけ離れた生活になりがちです。 今回のトピックである、汗腺の働きや体温調節機能は、人間が進化の過程において、自然界の変化に適応するためのものであり、自己の免疫システムを高め、自然治癒力を働かせるものとなります。 神経機能が正常に働くということは、生きるためにはごく自然なことであり、カイロプラクティック・ケアを受けるということも自然な行為となります。 ただし、この自然なこととは、決して当たり前のことではなく、私たち生命が生きるということは、毎日が奇跡なのです。 その日、その日の健康が決して当たり前のものではないのです。 誰に命令されるでもなく、一時も休むことなく、絶えず私たちの体温を調節してくれる身体の神秘に感謝し、日頃からカイロプラクティックケアで自らの身体を労わってあげましょう。

塩川カイロプラクティック治療室
スタッフ 前田 一真