目の細胞数は1億2600万個!

眼球の内壁にある網膜は、視覚的な映像を信号に変換し、視神経を通じて脳に届ける働きがあります。 カメラで例えると、フィルムにあたり、10層からなる、とても薄い膜となります。 厚さは、中央部で0.3~0.4㎜、周辺は0.15㎜となります。 眼球の直径は10円玉とほぼ同じ大きさで、約24㎜。 このうち「ひとみ」と呼ばれる部分が瞳孔で、網膜に投射する光の量を調節しています。 ひとみが黒く見えるのは、網膜に入った光が跳ね返らず吸収されているからです。 網膜が外部からの光の刺激をキャッチするとき、実際に刺激を受ける細胞が視細胞となります。 視細胞は2種類あり、それぞれの機能に応じた役割を担っています。

明るい場所で光を感じて色を見分ける視細胞を錐状体(すいじょうたい)といい、その細胞の数は600万個となります。 暗い場所で薄明かりを感じる視細胞を杆状体(かんじょうたい)といい、その細胞の数は1億2000万個となります。 つまり、1ミリ以下の薄い網膜の中に1億2600万個もの視細胞があることになります。 ちなみに、人間の数百倍の視力を持つ鳥類は、ほとんどが錐状体だけの網膜で、杆状体を持っていないため、夜はまるでものが見えなくなります。 夜、目が効かないことを “鳥目” というのはそのためです。

人間が生活の中で夜、目が見えにくくなる原因の多くは、ロドプシンという杆状体に存在する視物質の減少とされています。 ロドプシンとは、物を見る働きを支える視神経の細胞に含まれる色素のことです。 このロドプシンが減少すると、杆状体の感受性が低下し、いわゆる鳥目のような状態になってしまいます。 ロドプシンはビタミンAの不足によって減少するため、ビタミンAを適度に摂取することで、鳥目を改善できるケースもあります。 そのほか、目に良いといわれるブルーベリーに多く含まれるアントシアニンは、ロドプシンを作る材料になり、暗順応の機能を高める効果があるとされています。

暗い場所から明るい場所へ移ったときは、このロドプシンが一瞬のうちに分解されます。 また瞳孔の周囲にある虹彩(こうさい)も、光を取り込む量を減らすために、一気に縮みます。 まぶしい感覚が起こり、目に痛みを感じるのはこのためです。 明るい場所に目が完全に慣れるまでは30秒~1分ほどかかります。 逆に、明るい場所から暗い場所に移動したときに、眼が痛くならないのは、虹彩がゆっくりと広がるからです。 暗い場所に入って4~5分すると、その暗闇のものがだいたい見えるようになり、その後、20~30分もすれば、目が完全に暗闇になれます。 この目の仕組み上、突然明るい場所や暗い場所に入ると、瞳孔の収縮によって見えるようになるまでのタイムラグがあるため、全く見えなくなる瞬間があります。 トンネルなどの出入り口で交通事故が多いのはそのためです。 錐状体は色を判別できますが、杆状体は色を判別することができません。 そのため、暗闇では色が分からないのです。 ただ、少しでも光があれば錐状体が働くため、暗闇でも赤いランプなどは赤色と判断することができます。

情報の80%は視覚から得ている

人間は「視覚」「聴覚」「嗅覚」「触覚」「味覚」の5つのセンサーで、ありとあらゆるものの情報をキャッチしています。 その中でも、 “百聞は一見にしかず” ということわざがあるように、五感でもっとも情報を得ているのは視覚となります。 人間は、外部の情報の実に80%を視覚から得ています。 聴覚からの情報は約10%、残りの3つの感覚器官で10%です。 この3つの感覚の情報優先度は嗅覚、触覚、味覚の順だといわれています。

音声の聞き取りでは耳だけを働かせていると考えがちですが、会話などでは耳だけではなく目も活発に働いていて、話し相手の顔の表情や動きを捉えています。 特に騒々しく音声が聞き取りにくい環境では、唇の動きを読み取る読唇術が自動的に働き、耳による音声の聞き取りを助けています。 英国の心理学者、H・マガークは、「が」と発音する時の顔をビデオで撮影し、音声だけを「ば」に入れ替えて再生して、どう聞こえるかという実験を行ったところ、多くの人は「が」と「ば」の中間の音である「だ」と聞き取ったといいます。 これは耳と目からの2種類の情報が脳で融合した結果で、この現象はマガーク効果と呼ばれています。

視力8.0の視力を持つマサイ族

近年、近視人口の割合が増加しています。 視力が低下し、重度の近視になってしまうと、「このまま目が見えなくなるんじゃないか」と不安になる方もいると思いますが、近視に関しては0.02より悪くなることはありません。 近視とは水晶体の形を変えるための筋肉、毛様体筋の働きが弱くなり、眼球が横に長くなってしまい、網膜できちんと合うはずのピントが合わなくなっている状態を指します。 いくら近視が進んだからといって、眼球が平べったくはなることはありません。 眼球が3㎜程度伸びると視力は0.02となりますが、眼球が3㎜以上伸びることはまずないため、0.02が近視の最低ラインとなります。 ちなみに、生後1カ月の新生児の視力も0.02ほどで、1歳から1歳3か月でようやく視力0.2ぐらいになります。 0.02とは目の前にあるメガネを探すこともできないほどなので、新生児はほとんど目が見えていない状態ですね。 近視の原因としては遺伝説、環境説、成長説がありますが、もっとも有力とされる近視の要因は環境説です。 一昔前はそれほどでもなかった近視人口の割合が、最近になって急激に増加している原因はパソコンやスマートフォン、ゲーム機という「近くの物を見る習慣」の浸透にあるとされています。 近くの物を見ると、水晶体のピントを合わせる為に働く毛様体筋が緊張します。 これが度を過ぎると、毛様体筋の緊張が固定化されてしまい、元に戻らなくなり目が悪くなってしまうのです。

日本では1.2~1.5あれば視力がいいといわれますが、アフリカの人たちは4.0~6.0が一般的であるといいます。 その中でもスゴイのが、遊牧生活を続けているマサイ族の人達で、中には8.0の視力を持つ人もいるそうです。 視力8.0とか想像がつきませんが、どれほどかというと、視力表の一番小さい文字を20メートル離れた場所からでも読めたり、約8㎞先にいるライオンの姿が認識できるほどらしいです。 ギニア共和国出身のタレント、オスマン・サンコンさんは日本に来た当時、視力6.0だったそうですが、長い日本生活の中で視力1.2まで低下していまったそうです。 それだけ視力は環境に左右されてしまうのです。 マサイ族のように遠くを見て、目の緊張をときほぐせば近視の予防にもなるでしょう。

カイロプラクティックと視覚の関係性

カイロプラクターは神経と脳の専門家であり、カイロプラクティックは最高の予防医学です。 それは、視力や視野などの視覚情報にも当てはまります。 体の各部位はどこでも予防が大切ですが、目に関しては特に日頃からの予防が大切です。 人間は五感から得る情報の80%を視覚から得ています。 目はそれほど重要な器官となります。 人間が本来持っている自然治癒力は、本来どんな怪我や病気にも打ち勝つ力を持っています。 神経のサイクルが正常に働いていれば、たとえガンになっても、何も怯える必要はないのです。 しかし、こと視覚に関しては、普段からより一層の注意が必要となります。 網膜から入った光の刺激情報は、視神経を通して脳へ伝わります。 この視神経は脳に直接つながっている中枢神経の一部で、末梢神経に比べて再生力がとても弱く、完全に障害されてしまうと回復が難しくなります。 つまり、日頃からの予防が重要となります。

現代人は一昔前に比べると目を酷使する環境に身を置いています。 テレビ、パソコン、スマートフォンなどの電化製品は目にとって大きな負担となります。 さらに、これらの機器を使っている時はどうしても同じ姿勢になりがちです。 人間は、やはり動物なので動いているのは得意でも、じっとしているのが苦手な生き物です。 長時間のパソコン作業やスマートフォンで同じ姿勢をし続けた結果、頭が前方に傾いていきます。 人間の頭の重さは7~8㎏もあり、その重さはボーリングの球と同じくらいの重さです。 私たちは、その重たい頭を細い首で支えているわけですが、頭が長時間前方に傾いていれば、当然首に負担がかかります。その結果、いわゆるストレートネックといわれる状態になってしまうわけですが、このストレートネックが何か悪さをするということはありません。 背骨の形状は、その人の生活環境にあったものとなります。 通常、首には前弯カーブがついているのが理想的とはいわれていますが、頭が前方にいけば、バランスを取ろうとして、首の骨は自然と後ろ側に移動します。 もちろん、本来あるカーブというものは必要なものなのですが、なぜ本来必要なはずのカーブがなくなるのでしょうか。

私たちの脳は不必要なことはしません。 頭が前方に移動した状態で、首の骨を後方へ移動させるのは、全身のバランスを保つためですが、バランスを崩すということは、神経が損傷しやすい環境になるということです。 首の骨が真っすぐになってしまうのと、神経が損傷するのと、どちらが脳(体)にとって一大事かといえば、間違いなく神経の損傷です。 なぜなら、人間は神経の流れなしでは生きてはいけないからです。 そうならないために、本来必要なカーブを一つ消失させてでも、神経を保護するのです。 そもそも人間の体はそれほど弱くはありません。 一日、二日、長時間のパソコン作業を続けたからといって、それだけで首の骨が真っすぐになることはありません。 しかし、それが5年10年と続けば、徐々に負荷がかかってバランスを崩し、神経を損傷させないようにカーブが減少していきます。 その状態でさらなる負荷がかかれば、今度はよりバランスが悪くなり、神経を損傷してしまいます。 視神経も同じです。 視神経は脳から頸椎(首の骨)を通って眼に繋がっています。 首に負担をかけるということは、目(視神経)に負担をかけているのと同じことなのです。

人間の目は、よくカメラに例えられますが、特に優れているのはカメラでいうところのオートフォーカス機能と手ブレ防止機能です。 近くを見るときと遠くを見るときで、レンズの役割をしている水晶体は厚さを変えて、自動でピントを調節してくれます。 また、体や頭の動きを感知する耳からの情報を元に、体の動きとは逆方向に眼球を動かすことで画像のブレを防ぐといった働きまで備えています。 このような機能が、どんな高額カメラよりも高い水準で精巧にできています。 しかし、これらの機能は全て神経のサイクルが正常に働いていればこそとなります。 あなたの眼は、あなただけに特別に作られた唯一無二のパーツです。 あなたの眼窩にすっぽりと収まり、決してポロッと落ちてしまうこともありません。 そして、今この記事を読めているのも神経のサイクルが正常に働いていればこそです。 今ある健康を当たり前と思うのではなく、自身の健康に感謝し、日頃からの予防で体を労わってあげてください。 その予防というジャンルにおいて、カイロプラクティックは最高のものです。 皆さんも、日頃の予防にカイロプラクティックを取り入れ、健康な体を維持しましょう!

塩川カイロプラクティック治療室
スタッフ 前田 一真