日本では1200万人、成人の10人に1人が下痢(過敏性腸症候群)で悩まされていると言われています。

下痢とは、腸の運動が過剰になり、消化物が速く通過し、消化物の水分が腸で十分に吸収できなくなり、水分量の多い便が排泄される状態を言います。

その多くの原因は、過度なダイエット、食物繊維の摂取不足、運動不足、加齢、環境の変化、不規則な生活、精神的なストレスなど様々な外的要因が考えられます。

そして下痢の治療法として上記に挙げた外的要因を見直し、下剤の投与、生活指導、食事療法、心理療法、運動療法などがありますが、症状が緩和されることはあっても根本原因の改善にはなりません。

考えてみてください。もし外的要因が下痢の根本原因だとしたら、なぜ下痢になる人とならない人がいるのでしょうか?

ここで重要なことは、下痢の予防策として外的要因だけに意識を向けるのではなく、体の内に意識を向けることです。そもそも下痢は私たちの身体が危険な状態にあることを知らせてくれる大事なシグナルです。

不規則な生活習慣、食生活の不摂生、運動不足、過度な精神的ストレスを受け続けるような生活をしていれば、体に角に負担が続きます。また、有害物質などの毒素が体内に蓄積された場合、それらの毒素を身体の外に排毒するために下痢という症状で身体のバランスをとっているのです。

カイロプラクティックでは、体の内に問題の根本原因が存在していると考え、下痢に対してアプローチしています。

カイロプラクティック的アプローチ

自律神経のバランスの乱れが原因
自律神経(交感神経、副交感神経)の働きによって全てコントロールされています。自律神経とは、生命を維持するために自分の意思とは関係なく、24時間休むことなく働いてくれている重要な神経です。

つまりその自律神経のバランスが下痢の根本的改善と大きく関係しているのです。

胃腸は、副交感神経が優位なときに活発になり、交感神経が優位になりすぎると腸内運動が低下します。例えば人間は過度なストレスを受けると、そのストレスに抵抗するために交感神経が刺激されます。
便秘は交感神経が優位になったとき、下痢は副交感神経が優位になったときに起こります。

特に、自律神経のバランスの乱れによって下痢の症状が現れる特徴として、便秘と下痢を繰り返すことがあります。それは、人間の自己防衛反応によるものです。

例えば、ストレスによって交感神経が優位な状態が続き便秘になりますが、そのままでは体に大きな負担になると脳が判断し、自己防衛反応によって一気に副交感神経優位のスイッチをオンに切り替えることによって、下痢になります。この場合、ストレスにさらされている環境は変わらないので、交感神経優位になって再び便秘になり、便秘がしばらく続くとまた下痢になってしまいます。

このメカニズムとして、腸は「第二の脳」とも呼ばれる独自の神経ネットワークを持ち、脳からの指令が無くても独立して活動することができるからです。

ストレスを感じると、腸がそれを緩和するための防御反応としてセロトニンが分泌されますが、セロトニンが急激に増えすぎると、腸が不規則に収縮して、下痢になるというわけです。

このように、下痢という身体のシグナルから自律神経のバランスの乱れを認識することができるのです。

すべての症状には必ず意味があるのです。

副交感神経が過剰になって下痢の症状が出ている場合
交感神経サブラクセーションによって副交感神経が過剰になっています。交感神経サブラクセーションを取り除くことで、交感神経を刺激して腸内運動を活発にして下痢の改善に繋がります。

交感神経が過剰になって便秘と下痢の症状を繰り返している場合
副交感神経サブラクセーションによって交感神経が過剰になっています。副交感神経サブラクセーションを取り除くことで、副交感神経を刺激して身体の緊張を和らいでくれます。その結果、よりストレスに対応できるようになり、便秘と下痢を繰り返すような症状の改善に繋がります。

神経を介して脳と体のサイクルが正常であれば、自律神経のバランスは正常になり、そしてなにより脳がしっかりと身体を把握することができ、腸内運動が正常に行われてスムーズに排便をすることが可能になります。