厚生労働省によって行われた国民生活基礎調査によると、日本人の成人の26人に1人が便秘で悩まされているという結果が出ました。また女性に多く2人に1人は便秘で悩まされていると言われています。

一般的に便秘のタイプは3つに分けられ弛緩性便秘、痙攣性便秘、直腸便秘があります。

その多くの原因は、過度なダイエット、食物繊維の摂取不足、運動不足、加齢、経産婦、環境の変化、不規則な生活、精神的なストレス、筋力の低下など様々な外的要因が考えられます。

そして便秘の治療法として上記に挙げた外的要因を見直し、下剤の投与、生活指導、食事療法、心理療法、運動療法などがありますが、症状が緩和されることはあっても根本原因の改善にはなりません。

考えてみてください。もし外的要因が便秘の根本原因だとしたら、なぜ便秘になる人とならない人がいるのでしょうか?

ここで重要なことは、便秘の予防策として外的要因だけに意識を向けるのではなく、体の内に意識を向けることです。そもそも便秘は私たちの体が危険な状態にあることを知らせてくれる大事なシグナルです。

不規則な生活習慣、食生活の不摂生、運動不足、過度な精神的ストレスを受け続けるような生活をしていれば、様々な症状が消化器系に現れます。それ以上過度に体に負担がかけ続けると、さらに危険が生じてくることを私たちの体は教えてくれるのです。

カイロプラクティックでは、体の内に問題の根本原因が存在していると考え、便秘に対してアプローチしています。

カイロプラクティック的アプローチ

①自律神経のバランス
自律神経(交感神経、副交感神経)の働きによって全てコントロールされています。自律神経とは、生命を維持するために自分の意思とは関係なく、24時間休むことなく働いてくれている重要な神経です。

つまりその自律神経のバランスが便秘の根本的改善と大きく関係しているのです。

胃腸は、副交感神経が優位なときに活発になり、交感神経が優位になりすぎると、腸内運動が低下します。

例えば人間は過度なストレスを受けると、そのストレスに抵抗するために交感神経が刺激されます。交感神経が過剰な状態が続くと、大腸の腸内運動は低下し便は大腸に停滞して水分はどんどん奪われ、便が出にくい環境になります。

その結果、大腸内で悪玉菌が有害物質を産生し、腸内ガスが発生してお腹が張ることもあります。

また、腸内の有害物質によって血液が汚れ、背中や顔などに吹き出物が発生することもあります。

このような場合は、副交感神経サブラクセーションによって交感神経が過剰になっています。副交感神経サブラクセーションを取り除くことで、副交感神経を刺激して腸内運動を活発にして便秘の改善に繋がります。

②肝機能の低下
肝機能が低下して胆汁が十分作られなくなることも便秘の原因と言われます。
胆汁は小腸での消化吸収を助ける働きがありますが、肝機能の低下で消化吸収が悪くなり、水分のみ多く吸収されて、便は腐敗し悪臭を帯びるばかりでなく便秘の原因になります。

このような場合は、肝臓を支配している上部腰椎のサブラクセーションによる肝機能低下が原因です。サブラクセーションを取り除くことによって、肝機能が正常になり、便秘の改善に繋がります。

③女性ホルモンの乱れ
女性に多く確認される便秘の原因は、女性ホルモンのプロゲステロンです。
プロゲステロンの働きの1つに大腸の腸内運動を抑える作用があるので、分泌が活発になる排卵~月経までの期間になると、便秘しやすくなると言われています。

しかし、排卵~月経の期間以外でも便秘を誘因する原因の1つに女性ホルモンのバランスが大きく関わっています。

過剰なプロゲステロンの分泌が便秘を起こす原因になります。
サブラクセーションによって脳が身体の環境を把握することができなければ、適切な量にホルモンの分泌が行われず、便秘に悩まされるというわけです。

このように身体の内に原因は存在しています。 

私たちの身体は、便秘になるまでに様々なシグナルを送って教えてくれています。

それが初期の身体のシグナルです。

例えば、自律神経のバランスが乱れた場合は、お腹の張り、ガスがよくたまる、肌荒れ、吹き出物という症状で危険を知らせてくれます。

肝機能が低下した場合は、疲れ、食欲低下、以前よりお酒が弱くなったという症状で危険を知らせてくれます。 

女性ホルモンのバランスが乱れた場合も同様に、イライラ、むくみ、眠気という様々な症状で危険を知らせてくれているのです。

初期のシグナルを放置し続けると、便秘が慢性化し、腸内に水分を失った便やガスは次第に溜まり、便意を全く感じなくなります。そして腸内ガスがさらに有害物質を発生させ、ますます便秘がひどくなるという悪循環につながっていきます。

すべての症状には必ず意味があるのです。

神経を介して脳と体のサイクルが正常であれば、自律神経のバランスは正常になり、肝機能も正常になり、女性ホルモンの分泌も適切になり、そしてなにより脳がしっかりと身体を把握することができ、腸内運動が正常に行われてスムーズに排便をすることが可能になります。